I cover retail, from fashion to grocery, and its dance with technology

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米国の小売業界ではサステナビリティが重要なトレンドとなった。アウトドアグッズの販売チェーン「REI(レクリエーショナル・イクイップメント)」は、この流れに乗ってレンタルや中古品販売、トレード(下取り)部門を強化している。

20ドルの入会費で会員向けサービスが受けられるREIは、年に数回のガレージセールや、返品された商品を格安で販売する中古品セールで知られている。同社CEOのEric Artzは今後、これらのセールをオンラインにも拡大させると述べた。

米国の35州に154店舗を構えるREIは昨年、レンタルサービスを85店舗に拡大し、今年は115店舗に広げる計画だ。そこでの主力アイテムとなるのは、スキー用品やキャンピング用品だという。

「顧客は当社の、サステナブルな循環型のビジネスモデルを気に入ってくれている」とArtzは話した。ワシントン州ケントに本拠を置くREIは間もなくコロラド州デンバーの店舗で、自転車の下取りプログラムを始動させる。

REIは今から1年ほど前に、レンタルとリコマース(中古品販売)に注力することを決定した。求めやすい価格でアウトドアの楽しさを提示し、狭い住宅で暮らす子供を持つ親たちに、手軽にキャンピングを楽しませようという方針だ。

同社のレンタル部門の売上の3分の1は、ミレニアル世代の顧客らが担っている。REIが実施したマーケティング調査によると、ミレニアル世代の大半は、レンタルを好んでいる。

REIは昨年、100万人近い新規会員を獲得したが、その過半数が40歳以下だったという。同社の新規事業部門に勤務する35歳のPeter Whitcombも、「私自身がミレニアル世代で、カーシェアリングやエアビーアンドビーの利用者だ。全てを自分で所有する必要はない。モノの所有という概念から離れることで、サステナブルな世界が実現できる」と話した。

「ミレニアル世代は一つのモノを長く使い続けることに価値を感じる。我々はそのメンタリティを理解した上で、スケール可能なビジネスを生む必要がある」とWhitcombは続けた。

REIのレンタル部門の売上は、昨年から今年にかけて2倍に伸びた。中古品の販売数も今年は100万点に達する見込みで、オンラインでの中古品販売も倍に伸びている。

リアル店舗でも売上増

REIが循環型エコノミーと呼ぶビジネスモデルは、消費者の間で高まるエコロジー志向に対応する動きだ。自分と価値観を共有できるブランドを支持する動きが高まっている。

ファッション分野ではレンタルアパレルの「Rent The Runway」がサステナビリティ志向を打ち出して支持を高め、企業価値10億ドルを超えるユニコーンに成長した。

REIは昨年の利益の70%以上をアウトドアコミュニティに還元し、430以上のNPO団体に寄付を行った。同社の2018年の売上は前年から6%増で、過去最大の27億8000万ドル(約3000億円)に達したという。

「ここ数年の、エクスペリエンス志向の消費の高まりも追い風になった」とArtzは話した。ヨガやジョギングのクラスや、ワークショップなどのプログラムの売上も増加した。

もう一つのREIの強みは、リアル店舗でも売上が伸びている点だ。今年は新たに6店舗を開設し、バーモント州やアラバマ州などの4州に進出する。

「アウトドア市場ではリアル店舗とオンラインがうまく連携できる。人々は実際の商品を店頭で見て選んでいる。REIのストアではキャンピングの知識が豊富な店員が、顧客に最適なアイテムを選んでいる」とArtzは続けた。

編集=上田裕資

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