米資産運用会社ティー・ロウ・プライスは先ごろ、生涯収入が少ないことが女性にもたらす影響と、そのことによって生じる問題に関する調査結果を発表した。女性の方が男性より長生きであることにも焦点を当てたものだ。
女性は退職後の生活が男性よりも長くなる分、そのための貯蓄が必要となる。キャリアの異なる段階において、自分の経済状態を評価しなおすことが重要だとされている。
1. キャリアの初期段階─賃金格差が生涯収入の差になることを認識すべき
調査によると、ミレニアル世代の女性の個人所得(中央値)は5万6000ドル(約623万円)。同世代の男性より、年間3万ドル近く少なくなっている。また、確定拠出年金(401k)に加入している場合、女性の拠出金は男性より少ないことが分かっている(中央値は女性が給与の5%、男性は8%)。
・重要なポイント:自分の価値を把握し、適切に交渉しよう
女性は教育を重視する。自らのキャリアを通じて、より賃金の高い仕事を得るために役立つ可能性があるためだ。女性は自分自身の価値を理解して評価し、潜在力についても考えた上で、水準以上の賃金を得るための交渉する必要がある。不完全雇用の状態に甘んじてはいけない。
もちろん、これは口で言うほど簡単なことではない。だが、キャリアの初めに得る賃金は、その後の昇給やボーナス、昇進のベースとなる。交渉しないこと、または業界の賃金水準を把握していないことは、キャリア全体を通じての収入を大幅に減らすことにつながりかねない。
この時期こそ、しっかりとした経済的な基盤を築いておくときだ。借金があれば返済しつつ、退職後に向けた貯蓄のための計画を立てる必要がある。
2. キャリアの中間地点─賃金が伸び悩む時期に備えるべき
調査によれば、X世代の男女の所得格差は縮まっている。これは興味深い点だ。この世代の女性の個人所得(中央値)は7万1000ドル。男性は8万3000ドルだった。X世代は給与のうち、女性が6%、男性7%を確定拠出年金(401k)拠出している。
一般的に、男女共に賃金は、キャリアの中盤に当たる時期に最も上昇する。女性にとって重要なのは、昇進の機会をつかむことだ。一方、この時期は、カップルが子供を持つタイミングでもあるだろう。中には子育てのために、退職する女性もいる。働き続ける女性たちにとっては、ワークライフバランスの維持が重要度を増す時期でもある。