LVMHの2019年第1四半期の総売上高は、前年同期比でおよそ16%増となり、141億ドル(約1兆5790億円)となった。
最大の伸び率を見せたのはファッションおよび皮革製品部門で、売上高は20%増(オーガニックグロース=自律的成長は15%) 。全般的に見て、すべての地域で高い成長率を記録したと同社は述べる。これにより、アナリストが警告していた中国の消費低迷という、根強い不安は鎮まりそうだ。
LVMHの2019年第1四半期決算報告には大きな意味がある。そこには、ルイ・ヴィトンとクリスチャン・ディオールのメンズ部門で敢行された大刷新が反映されているからだ。
2018年6月に開催された2019年春夏メンズコレクションでは、ルイ・ヴィトンのヴァージル・アブローと、ディオールのキム・ジョーンズがそれぞれ、新アーティスティック・ディレクターとしてデビューを飾り、批評家たちから絶賛を受け、商業的にも大成功をおさめた。同時期、セリーヌのエディ・スリマンも、チーフデザイナーに就任して初めてのメンズとウィメンズのコレクションを発表。製品は2月に店頭に並んだ。
LVMHはブランド別の決算を発表していないが、ルイ・ヴィトンについては名前を挙げ、全体的に「並外れた」業績を達成し、「著しい成長を遂げた」と述べた。メンズとウィメンズの秋冬コレクションが「あまねく高い評価を受けた」という。
もうひとつの明るい話題として、クリスチャン・ディオールが、全地域ならびに全製品部門で「驚くような業績」を達成したとLVMHは語った。フェンディ、ロエベ、ベルルッティについても、急成長だと称賛した。
名前が挙がらなかったブランドは、クレア・ワイト・ケラーがクリエイティブ・ディレクターに就任してまだ比較的日が浅いジバンシィと、マーク・ジェイコブスだった。しかしLVMHは、ほかの「メゾン(ブランド)」も引き続き成長していると語っている。
LVMH傘下として名を連ねる他の事業も伸びを見せた。増加率が最も低かったのは時計およびジュエリー部門だった(オーガニックグロースは4%)。総合的に見て、2018年も記録的成長を遂げたおかげで、LVMH株価は引き続き急騰している。