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I'm a Luxembourg-based writer covering European affairs.

(Chesnot/by Getty Images)

世界屈指の観光地として知られる、パリ中心部のノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)で4月15日、大規模な火災が発生した。大聖堂のシンボルだった尖塔は出火から約1時間で焼け落ち、屋根が崩落した。

警察は深夜12時頃、出火原因に事件性はなく、過失によるものだと述べた。エマニュエル・マクロン大統領は、寺院を一刻も早く再建すると発言した。「これは我々に与えられた使命であり、運命である」とマクロンは話した。

現地時間18時50分頃のライブ映像には、赤い炎と白い煙が立ち上る模様が映し出され、世界中の人々が悲しみに暮れた。消火活動にあたっていた消防士の一人は、重症を負ったという。

寺院の周囲のブロックには、数千名の観光客や現地の人々が集まり、呆然と立ち尽くしていた。静かに祈りを捧げる人たちや、賛美歌を歌う人たちもいた。尖塔が炎の中に崩れ落ちる様子を、人々は息を飲みながら見送った。


唖然と立ち尽くす現地人(Chesnot/by Getty Images)

現地メディアLe Pointは「炎は夕暮れとともに燃え広がり、寺院の大部分が焼かれた。尖塔や大聖堂が崩れ落ちた」と伝え、世界中のメディアが報道した。

マクロン大統領は当日のスピーチの予定をキャンセルし、エドゥアール・フィリップ首相やパリ市長のアンヌ・イダルゴらと共に現場に向かった。

「ノートルダム大聖堂が炎に焼かれてしまった」とマクロン首相はツイートで述べた。

「国中に悲しみが広がっている。他のフランス国民と同様に私も、自分の体の一部が焼かれたように感じている」と彼は綴り、全てのカソリック教徒とフランス国民らに対し連帯を呼びかけた。世界中の政府首脳らが、フランスに対する支援の意志と悲しみを表明した。

貴重な文化財の多くが失われたことが危惧されるが、イエス・キリストがかぶっていたとされる聖遺物「いばらの冠」や、13世紀の国王ルイ9世が着用していたチュニックなどは、消防隊により持ち出された。

出火原因は調査中だが、以前から進んでいた修繕活動との関連が指摘されている。BBCによると、ノートルダム寺院は修繕のための資金の寄付を呼びかけていた。

報道によると、消火活動には400人の消防士らが参加し、築850年になるゴシック様式の大聖堂を守るために炎と戦った。クレーンの上に登った消防士らは数時間に渡り、寺院の屋根に水を放射し続けた。夕刻のラッシュアワーの中を、複数の消防車が駆け抜け、パリ中心部のシテ島の火災現場に急行した。

消防隊の努力の結果、いくつかの貴重な聖遺物や絵画は炎から守られた。


炎が燃え広がるノートルダム大聖堂(Philippe Wang/by Getty Images)

編集=上田裕資

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