彼は編入理由について以下のように語ってくれた。
「最初にインターナショナルスクールに行くのを決めたときは、ただ漠然と英語を習いたい、もっとたくさんの国の人の関わりたい、それだけでした。その後、中学から海外に行くことを薦めてくれたのは親でした。インターナショナルスクールでは、最初は英語で思うように表現できず苦労しましたが、日が経つに連れて授業にもついていけるようになり、友達も増えました。その後ですね、自分で海外に留学したいと思うようになったのは」
何度か色々な学校のサマースクールに行き、その中で第一候補となったのがイーグルブルックだったという。
「学校所有のスキー場と広大な敷地、数々の設備。サマースクールでの刺激的な日々と温かい先生や生徒、どれも魅力的でした。特に惹かれたのが、このハイレベルな学校に日本人が一人も居ないということ。この学校では日本ではできなかった、教えてもらえなかったことをたくさん学べるのではないかと思いました」
慶さんに連れられてダイニングホールへ行くと、そこはさながらハリーポッターの世界。入り口には、こんなもの今時使うの? と思うような、重厚な鉛のダイアルロック式の郵便受け。高い天井の食堂では、既に昼食の準備が始まっていたため、カトラリーと真っ白なナプキンが整然とテーブルに並べ始められているところだった。
偶然にもそこに通りかかったのが、Andrew Chase学長。彼は意外にも、頻繁に日本はじめアジア諸国へ足を運んでいるという。なぜか。アジアのいわゆる「エリート校」の生徒たちが、あまりに国外の事情に疎いことを憂え、彼らに少しでも外の空気を吸ってもらいたいと、各国に散らばる卒業生たちと奔走しているのだ。
13日間・約55万円で学校を体験
毎年8月の初旬には、イーグルブルックの広大なキャンパスを舞台に、12-15歳を対象とした「Global Leadership Program」が繰り広げられる。アジアから来る男女が対象で、今年も2年目にして、日本の某名門男子中学校から数名の参加者が見込まれているという。
参加費は、13日間で5000ドル(宿泊費、食費、ボストン見学や様々なキャンパス外でのアクティビティー等の日帰り修学旅行も込み)と決して安くはないが、日本の学校しか見たことがない中学生にとっては、世界に視野を向ける良い機会になるはずだ。
私たちUWC ISAK Japanが運営するサマースクールは、毎年7月下旬の2週間。今年は既に何倍もの倍率の中、参加者の選考を終えているが、イーグルブルックの「Global Leadership Program」はまだ参加者募集中とのこと。今夏の予定が決まっていない中学生は、選択肢の一つとしてぜひ考えてみてはどうかと思う。