チャーチルが愛した名門ゴルフコースの「したたかな設計」

ウォルトン・ヒース・ゴルフクラブ(フォーブスジャパン4月号より)


ウォルトン・ヒースはまた、数々の主要な国際大会を開催してきた地でもある。古くは1910年、ハロルド・ヒルトンとセシル・レイッチの間で72ホールの男女対抗戦がウォルトン・ヒースとサニングデールで開催されたほか、以降大きなアマチュア大会のホストを数多く務めている。

また1970年から90年代にかけてヨーロピアン・オープンを、1981年にはライダーカップ、そして2000年には全英女子アマを開催。

近年では全英シニアオープンを2011年に、2018年にはブリティッシュ・マスターズの会場となった。都度、その名声にふさわしいステージを提供してきている。

オールド・コースは1938年に開場して以来、常に世界トップ100のゴルフ場にランクインしてきた。

コースを設計した前述のファウラーが、ゴルファーの技量をまるで試すかのようなコースデザインを巧みに施しており、要求されるテクニックも高いものになっている。またプレイヤーを先々で待ち構えているグリーンは、大きく、硬く、しかも速い。

最長はパー72の7406ヤード、普段のティーでも6786ヤードという距離。そしてその大部分は、最初の6ホールで費やされているのではないかと思わされるぐらい、序盤のホールの長さが際立っている。

フェアウェイには多くの美しい紫色のヒース、そしてアンジュレーションにバンカーなど、大きな空の下でほとんど人間の手が入っていない。

自然のヒースランドコースを制覇するためには、身体だけでなく精神面においても健康かつ最良のコンディションでないと難しいと、多くの著名なプロゴルファーが語っている。
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文=小泉泰郎

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