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AI通信「こんなとこにも人工知能」

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中国と東南アジアの接近が、人工知能(AI)産業においても進みつつある。中国およびマレーシア現地の報道によれば、マレーシアのIT企業G3 Globalが、中国AI企業のセンスタイムと提携。中国港湾工程(CHEC)とともに、マレーシアに初の「 AIパーク(AI研究・開発拠点)」を建設することを発表したという。

5年以内に10億ドル以上が投資される予定であり、中国交通建設の子会社であるCHECが建設作業を引き受ける。AIパークの建設は、マレーシア国内のAI技術発展を目標とし、主に人材育成に力が注がれる予定だ。ビジュアルコンピューティング、音声認識、自然言語、ロボットなどの領域において、AIソリューション開発のためのプラットフォームが提供される。

顔認識、画像認識、テキスト認識、自律走行などの分野において、中国を代表するAIスタートアップとなったセンスタイムは、今後、デジタルエコシステムの構築のためにマレーシア政府と緊密な関係を築いていく。市場においては、センスタイムとG3 Globalの協力も進む予定だ。センスタイムは技術に関する知識、スキルトレーニングプログラム、AI製品などを提供し、G3 Globalがそれら製品や技術を運営・管理を担う。

マレーシアの複数の企業および機関は、すでに自動化や生産効率向上を図ることができるAI技術の重要性を高く評価しているが、今回の協力関係構築により、AI産業が自国におよぼす重要性を改めて認識。中国AI企業のノウハウを活かしながら人材教育の効率性を高めていく計画だ。

マレーシアにおけるAIの発展は、東南アジアの近隣国にも影響を及ぼすとの見解もある。マイクロソフトおよびIDCは、アジア太平洋地域の企業のAI活用状況を見た際、マレーシアでのAIの発展が近隣国に波及していく効果が大きいとしている。

なおセンスタイムは、マレーシアに先立ち香港でも同様の計画を進めている。アリババとセンスタイムは昨年5月、Hong Kong Science and Technology Parks Corporation(HKSTP)と共同で、香港に「HKAI Lab」を設立した。 AI専門家を育成しつつ、スタートアップをサポートするプラットフォームである。アリババが起業家を支援し、センスタイムがLab運営を担う布陣となっている。

経済成長著しい東南アジアでは、スタートアップやベンチャー企業に対する投資が増加傾向にあり、ユニコーンやデカコーンといった有望企業も次々と登場している。その経済的可能性を秘めた地で、中国企業がどのように現地企業と関係を強めていくのか。AI産業の発展という側面からも、見逃せない話題となりそうだ。

連載 : AI通信「こんなとこにも人工知能」
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文=河 鐘基

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