英国は結局「ノーブレグジット」に? 永遠の議論とEU残留の可能性

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ノーブレグジットの可能性は?

離脱期限の延期が招くのは、不確実性だけだ。市場が不確実性を嫌い、この問題について何か意見を言えるとすれば、これから起きることとして推測できるのは、ハードブレグジットではなくノーブレグジットの可能性が高まるということだ。

金融大手BNPパリバは、英国がEUに留まることになる確率を15ベーシスポイント引き上げ、35%に変更した。また、ハードブレグジットとなる確率は30%から15%に下げている。議会は永遠に決定を引き延ばしにすることも可能になった。取りたいだけの時間を取ることができると認められたのだ。

一方、ビジネスに関する複数の調査結果は、成長環境の悪化を予想している。経済活動の大半が、離脱に備えた在庫の積み上げに占められているのだ。議論が永遠に続き、それが意味するのがノーブレグジットだとビジネス界がみなせば、環境は急速に変化し始める可能性がある。

さらに、資産運用会社シュローダーズの欧州担当シニア・エコノミストは、在庫を増やすことにも限度があり、いずれは消費や投資の伸びの鈍化に合わせ、生産を増やせない状況になると指摘している。

先行きが不透明な状況から、イングランド銀行(英中央銀行)は金利を据え置いてきた。だが、年内には離脱しないと見込めば、来月中に利上げを行う可能性もある。BNPパリバは否定的だが、シュローダーズによれば、利上げの可能性は20%だ。

英国では、5月2日に地方選挙が行われる。世界の投資家たちはその結果から、優勢を占めるのがブレグジット賛成派と反対派のどちらかをうかがい知ることになるだろう。

編集=木内涼子

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