ビジネス

2019.04.18

「非若者」経営者の皆さんへ。「若者への違和感」を大切に

Paul Harizan / Getty Images


「近頃の若い人は~~」という愚痴や「若者の〇〇離れ」というレッテル貼りはすべて言い換えれば、既存の感性と新しい感性の摩擦音みたいなもの。面倒で難解で奇妙な存在に映るかもしれない若い人たちに「〇〇世代」や、「今年の新人は〇〇タイプ」のようなレッテルを貼ってそれ以上考えようとしなくなるのは簡単です。

摩擦を一度受け止めて、「なんでそんな風にふるまうんだろう」「自分はそれをどうしてイラっと感じてしまうんだろう」と興味をもって考えてみようとすれば、自分の中のバイアスへの気づきや、ひいてはそれが新しいビジネスデザインのきっかけになるかもしれません。

「VUCA」という言葉に象徴されるように、社会は価値観の多様化、不確実性の増大、変化の高速回転化、情報流通量の増大など、大きな過渡期を迎えています。これらの変化に比例するかのように今後、摩擦音は様々なところでこれまで以上に顕著になっていくと思います。

ただ一方で、少子高齢化が進めば人数に呼応して若い人たちの存在感は下がっていき、「気にしなくても影響の少ない音」として彼らと向き合うことを後回しにするという意思決定に至る組織も増えていくかもしれません。

だからこそ、自ら意識してそれらの摩擦音、言い換えれば「あたらしい違和感」にいかに敏感であれるか。そここそ、NEWをDOする入り口なのかもしれません。

「若い人の”新しい感性”を経営者に持っていってみる」「そこで明らかになった”新しい違和感”を解く方法を産み出し、若い人に返していく」 そんな自分の仕事をたまに「通訳」と例えることがあります。通訳だからこそ見えてくるたくさんの「あたらしい違和感」をこれからこのコラムで書いていきたいと思います。

様々なモノゴト、人間関係が新しくなる4月は違和感の宝庫。特に、若い人とのコミュニケーションで感じる違和感を大切に、「何言ってんだ?」ではなく、「なぜそう感じたのか」を、考えてみてはいかがでしょうか?

文=吉田将英

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