「2025年までに欧州で販売する四輪商品のすべてをハイブリッド、バッテリーEVなどの電動車両に置き換えることを目指します」
ショーのタイミングで上記のような発表を行ったのはホンダだ。同社では、欧州の一部の国において2019年夏よりコンパクトEVの販売を開始する予定という。そのコンセプトモデルである「Honda e(ホンダ・イー)コンセプト」を出展した。
量産車は欧州に続き日本でも販売検討中という「Honda e コンセプト」
気候変動抑制のための「パリ協定」(2015年)を受けて、自動車によるCO2排出量を抑制するために欧州連合(EU)が定めている排ガス規制は厳しくなるいっぽうだ。それが、各自動車メーカーが代替燃料(つまり電気など)のパワートレイン開発に力を入れる背景となっている。
自動車界の巨人フォルクスワーゲン(VW)は、「ID. バギー」というEVのコンセプトモデルを出展した。2019年中に「ID.」というEVを発表する予定の同社のヘルベルト・ディースCEOは、「いまEVに舵を切らないと生き残れない」と語る。
「ID.バギー」の発表と同時に、VWではこの車両に使われている「MEB」というEVのプラットフォームを、サードパーティにも販売すると発表した。60年代の米国西海岸のカスタムカーを彷彿させるバスタブ型のボディは、「EVのシャシー(モーターと駆動系とバッテリー)があれば、あなたにも好きなクルマが作れますよ」というデモストレーションなのである。
2018年12月に就任したばかりのアウディのブラム・ショット取締役会会長は、ジャーナリストが詰めかけたステージに姿を現し、「今回のショーには、電気自動車とプラグインハイブッドを展示して、ガソリンやディーゼルの内燃機関でのみ走るクルマは並べていません。初めての試みです」と語った。周囲から「おーっ」と感嘆のような声が沸き起こったのが印象的だった。
アウディが2020年に発売予定というEVのSUV「Q4 e-tron concept」