テクノロジー

2019.04.29 07:00

米名門校の「生徒会選挙」でハッキング、Gメールを不正利用

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世界各地でハッキング行為が日常的に行われる中、選挙を実施する際には投票システムにハッカーが忍び込む危険に備えなければならない。セキュリティが弱い投票システムは、簡単に不正な操作を加えられてしまう。

連邦レベルや州レベル、地方行政の選挙においてもこれは重大な脅威だが、投票システムのハッキングは米国の学校においても現実の危機になっている。

投資家のベン・ホロウィッツらを輩出した、カリフォルニア州の名門校、バークリー・ハイ・スクールは先日、同校にとって史上初の電子投票による生徒会選挙を実施した。投票に用いられたのは高度な電子投票システムではなく、Eメールによる投票だった。

選挙にあたり2400人の生徒が投票権を持っていたが、投票が始まってからしばらくして、選挙スタッフは不審な事態に気づいた。多くの票が2名の学生に集中しており、昼夜を問わず大規模な数の票が投じられていた。

調査を行ったところ、それらの票は1台のコンピューターから投じられており、投票者の名前のアルファベット順で投票されていたという。調査を進めた結果、大量の票を獲得した学生2人は、他の学生のアカウントにログインし、不正投票を行っていた。

学校では各学生にGメールアカウントを付与していたが、パスワードはデフォルト状態では学生IDと氏名の組み合わせだった。大半の人々は、滅多に使わないアカウントのパスワードをデフォルトから変更しない。バークリー校では500人の学生が、デフォルト状態でパスワードを放置していたという。

学校側はこの不正を検知した後、2人の学生を候補から除外した。その後、選挙はやり直しになり、生徒会長にLexie Teschが、副生徒会長にはDaijah Conerlyが選出された。地元紙の報道によるとConerlyは将来、米国の司法長官になる夢を抱いており、次のように述べたという。

「不正を行った生徒には、一定期間の停学処分が与えられるべきだ。彼らはクラスメートたちを裏切ったのだ」

編集=上田裕資

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