中国発「脳で操作」するロボット型アンドロイド。リハビリの未来は変わるか

上海伝利叶智能科技が製品化した下半身の外骨格ロボット。出典:上海伝利叶智能科技


中国製は「模造品」のイメージを覆す

創立して間がない技術イノベーション型企業にとって、利叶智能は3年近い時間を費やしたが、オープンプラットフォームで手放さなければならないものは何か。

Zen KOH氏は次のように説明する。

「手放すべきは閉鎖的なシステムを構築する考え方です。オープンな状況で業界の手本にならなければなりません。このためには強い意思と忍耐が必要です。そして業界全体に熱い想いを伝播させることです。

私たちの初志は、真の意味でロボットを普及させることにあります。リハビリと医療に注力しており、多くの技術は相互転用が可能です。もしわれわれが閉鎖的になり、医療にとどまるなら、目的を達するまでには長い時間を要することになります。

私たちのオープンプラットフォームは工業、サービス、軍事、個人、すべての技術を一度に結集させることができ、医療方面の発展をも加速できます。

以前、中国の技術イノベーションは『模造』という病に取り憑かれていました。私たちはその病を癒さなければなりません。私たちは技術を開放し、技術の研究開発者にそのプラットフォームを通じて二次的研究開発をしてもらいたいと思っています。

これは中国だけでなく、全世界が望む姿であり、状況に違いありません。利叶智能の開発拠点が最も多いのはアジア太平洋地区ですが、その次に欧州、北米と続いており、現在は南米も検討中です」

情報筋によると、この外骨格ロボットのオープンプラットフォームには、初期ユーザーとして多くの大学や研究機関が参入予定とのことだ。またすでに、同プラットフォームをベースに、著しい成果を挙げた例もある。利叶智能と西安交通大学の徐光華教授のチームが提携して、視覚誘発強化による脳コントロール技術を下半身の外骨格ロボットに応用し、人の意思で外骨格ロボットを操作したという。

Forbes China
原文

編集=石井節子 写真=Forbes China提供

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