フォーブス ジャパン編集部 エディター


芸術品ではなく、ときめきを感じる「実用品」に

不安がなかったと言ったら嘘になりますが、私はすごくポジティブな性格で。名前を出してブランドを立ち上げるからには失敗できないと覚悟は決まっていたし、世間から求められるイメージとは異なることもわかって立ち上げたので、とにかく「いろんなことを楽しもう」という感じでした。

あと、アホっぽく聞こえるかもしれませんが、私の中で「思いついたことは全部できる」と思っているんですよ。ブランドの立ち上げもそうだし、洋服づくりにおいてもそう。よく、パタンナーや工場の人たちに、私のアイデアは実現するのが難しいと言われています……(笑)。

それに対して、「この方法ならどうかな?」ってコミュニケーションを取りながら、ひとつの洋服を作り上げていくのが、すごく楽しいんです。不可能なことが分かってないので(笑)、良い意味で“知識がないこと”が私の強みのひとつだと思っています。

例えば、Lautashiはシーズンごとにテーマは設けていません。私自身が、多趣味じゃないので各シーズンでコロコロとテーマを変えられなくて……。テーマを設けることで先入観を持たせてしまうことも懸念しています。

2019年のS/S(春夏)コレクションは星座柄の洋服があったり、地層をイメージして作った洋服があったりしたので、結果的に「天と地」になりましたが。

決して奇抜な洋服を作りたいわけではないんですけど(笑)。やっぱり企画を考えているときに感じる、「何これ。洋服にしたい」という“ときめき”が忘れられず、いくら量産に向かないと言われても、見たことがないものを作りたくなっちゃうんです。



洋服のアイデアは60%は日常生活の中で、「こういうのがあったらいいのに」「なんで、今までなかったんだろう」と思うものがあったら、どんどんメモに書き留めていって。そこに40%の閃きの色や柄、シルエットなどのイメージを組み合わせていき、iPadでデザイン画を描きながら、アイデアを具現化させていっています。

Lautashiのコンセプトは“ファッションとココロの関係性”をスタイルに投影すること。洋服は毎日着るものだからこそ、日常生活の気分に影響を与えられると思っています。

毎日、「今日は何の服を着ようかな?」と考えて生活したら、人生が素敵なものになると思いませんか? あくまでも日常生活で着る洋服なんですけど、着ることで“背中を押してもらえるような気持ちにさせてくれる洋服”を心がけて作っています。

購入していただいたら、たくさん着て欲しい。眺めているだけで幸せになる芸術品ではなく、着ることで“ときめき”を感じられる実用品でありたいですね。

写真=小田駿一

才能の見つけ方
VOL.16

ヒロシが20年続ける習慣。「好きを仕事に」は...

VOL.2

自分らしさなんてわからない。それでも愛され...

PICK UP

あなたにおすすめ