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2019.04.15

売上好調のLVMH、アルノー会長が「世界3位の富豪」に躍進

LVMHのベルナール・アルノー会長(左)とデザイナーのキム・ジョーンズ(Getty Images)

ルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオールなどのブランドを傘下に持つラグジュアリーグループ、LVMHの会長を務めるフランスの大富豪、ベルナール・アルノーの資産額は先月、大幅に上昇した。アルノーはフォーブスの富豪ランキングで、ウォーレン・バフェットを抜いて世界で3番目に裕福な人物になった。

4月10日にLVMHは今年第1四半期の決算を発表。当日の株価は3%の上昇となり、アルノーの資産はさらに膨らんだ。フォーブスが3月5日に発表した2019年版の「世界長者番付」でアルノーの資産額は760億ドルとされたが、その後の数十日で彼の資産は112億ドル増加し、4月10日時点で872億ドル(約9兆7600億円)に達した。

LVMHの今年第1四半期の売上は、前年同期比16%増の141億ドルに伸びた。アナリストらは中国の景気減速を懸念していたが、世界の富裕層のラグジュアリー製品の購入意欲は衰えていない。

「2018年に見られた消費トレンドは、2019年の第1四半期においても継続した。世界の全ての地域で売上は拡大した」と同社はプレスリリースで述べた。

クリスチャン・ディオールやルイ・ヴィトン、セリーヌなどのブランドを擁するファッション及び皮革製品部門の売上は、15%増の57億6000万ドルに達した。中でもルイ・ヴィトンの伸びは顕著だという。

また、メンズ部門のアーティスティックディレクターに、新たにキム・ジョーンズを迎えたディオール オムも、ファッションや皮革製品、香水や化粧品などの各部門で、世界中の売上を拡大したという。

LVMHの売上の約10%を占める酒類部門でも売上は上昇し、ヘネシーのコニャックの売上も米国や中国を中心に11%の伸びとなった。一方で、時計やジュエリー部門の伸びは最も少なく、売上の上昇率は4%だった。

ラグジュアリー市場においてLVMHの売上は、業界全体の指標となる。グッチやバレンシアガを傘下に持つケリングや、カルティエやモンブランを傘下に持つリシュモンらの株価も、4月10日に上昇した。

4月12日時点で、ベルナール・アルノーの資産額は911億ドルまで伸びている。

編集=上田裕資

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