次に毎年数多くの新作を発表するウブロを訪問。もっとも目を惹いたのは、フェラーリとのコラボモデル「クラシックフュージョン フェラーリ GT キングゴールド」だ。2011年以来、この2社のパートナーシップは続いているのだが、今年はいつも斬新なデザインながらベースデザインの型を守ってきたウブロが、新しいデザインを開拓した感のあるものだった。
これまでのウブロにない曲線を多用したケースデザインは、まさに名車フェラーリのボディを再現したかのような美しさ。素材もウブロ独自のキングゴールドを採用しており、スポーティさとラグジュアリー感が融合した仕上がりとなっている。
ウブロ クラシック・フュージョン フェラーリGT キングゴールド [自動巻き、18Kキングゴールドケース、45mm径、412万円 問:LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ 03-3263-9566]
そしてルイ ヴィトングループからもう1ブランド、タグ ホイヤーである。ここも毎年数多くの新作が登場する。そんな中から、今年は「オータヴィア アイソグラフ」を紹介したい。
オータヴィアの名は1930年代にダッシュボードに初めて登場し、60年~70年にかけてレーシングクロノグラフとして製作されていた。その後、復刻モデルとして2017年に復活している。しかし、今年の新作「オータヴィア アイソグラフ」はレーシングというよりもパイロットウォッチといえる造形。インデックスもバーから大きめのアラビア数字に変更。さらに太いベゼル、大きいリュウズなど、パイロットがグローブを着けて難なく操作できる仕様となっている。
このモデルの大きな特長は、モデル名にもある“アイソグラフ”である。これはタグ ホイヤー独自のテクノロジーで、カーボンコンポジット製ヒゲゼンマイとテーラーメイドのテンプを取り付けさせた最先端振動子のこと。これを自動巻きムーブメントに採用することで、高い精度はもちろん衝撃や温度変化・磁気などから受ける影響を最小限にとどめているという。パイロットウォッチには不可欠といえる機能でもある。
タグ ホイヤー オータヴィア ウォッチ アイソグラフ [自動巻き、SSケース、42mm径、37万5000円 問:LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー 03-5635-7054]
続いて、時計でも斬新なデザインで注目を集めるグッチ。今年も魅力的な時計が満載であったが、とくに注目したいのが「グリップ」である。
まったく新しいユニセックスラインで、まず目を惹くのがユニークなデザインだ。丸みを帯びたスクエアケースに3つの小窓が設けられたデジタルウォッチ。数字を配した内部の3枚の白いディスクが回転し、一番上の小窓で時間を、真ん中で分、そしていちばん下の丸い小窓でデイトを表示するのだ。スケートボードにインスピレーションを得たということだが、一見、ヘルスメーターにも見える。それでも腕に着けてみると、なんともお洒落なのだ。そこがグッチの凄さなのだろう。
この35㎜のコレクションは4モデルで構成されており、GGモチーフが刻印されたメタルブレスレットのタイプが2モデル、付け替え可能なストラップがついたプレーンなモデルが2モデルということだ。さまざまな装いに合わせやすい、スリークな腕時計である。
グッチ グリップ [クォーツ、SSケース(PVD)、35mm径、19万円 問:ラグジュアリー・タイムピーシス ジャパン 03-5766-2030]