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2019.04.14 11:00

日本トップの富豪、柳井正が成功させた「才能」への投資

ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長 柳井 正(Photo by Julien Hekimian/Getty Images)

ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長 柳井 正(Photo by Julien Hekimian/Getty Images)

アパレルチェーン「ユニクロ」を運営する、ファーストリテイリングの創業者で会長の柳井正は現在70歳だ。柳井とその家族らは、東京証券取引所に上場する同社の発行株式の44%を保有しており、フォーブスが4月11日に発表した「日本長者番付」で資産額は249億ドル(2兆7670億円)とされた。
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柳井の資産額は昨年から29%上昇し、昨年の日本長者番付でトップだった孫正義から、1位を奪い取った。

ファストファッション業界では長年、ZARAやH&M、GAPらが市場の主要なポジションを築いてきたが、柳井の大胆な経営戦略でファーストリテイリングは、2016年に年間売上高でGAPを上回り、世界3位の衣料小売りチェーンの地位に躍進した。

この分野の1位はZARAを運営するスペインのインディテックス、2位はスウェーデンのH&Mだ。ファーストリテイリングの売上高は昨年10月発表の2018年8月期決算で、2兆1300億円に達した。同社は売上高で世界最大のアパレル小売店を目指している。
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そのゴールの達成に向け、柳井は広範囲な投資を行っている。著名人とのスポンサーシップにも注力し、ユニクロの認知度をあげようとしている。テニス選手の錦織圭や、オーストラリアのプロゴルファーのアダム・スコット、英国の男子車いすテニス世界ランク1位のゴードン・リードらが、ユニクロのブランドアンバサダーを務めている。

美術館とのコラボにも注力している。同社はニューヨーク近代美術館(MoMA)や、ロンドンのテート・モダン、バルセロナ現代美術館の公式スポンサーも務めている。同社の美術館との取り組みは戦略的なものであり、有名アーティストたちとネットワークを築く狙いがある。

柳井はリテール市場のイノベーターを企業に迎え入れることで、業績を拡大させた。1999年に柳井は、フリースの広告キャンペーンの運営を米国のW+K(ワイデン+ケネディ)デザイナーのジョン・ジェイに依頼した。キャンペーンは巨大な成功を収め、翌年のフリースの販売枚数は2600万枚に達した。

ジェイは2014年10月、ファーストリテイリングのグローバルクリエイティブ統括に就任した。

柳井は2006年に、グラフィックデザイナーの佐藤可士和と出会い、ユニクロのロゴの刷新を依頼したほか、ニューヨークのグローバル旗艦店のクリエイティブ・ディレクションを委託した。

編集=上田裕資

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