3月19日にはロシアのカスペルスキーも、アップルのアップストアの運営方針が独占禁止法に反するとして、ロシアの連邦反独占庁(Federal Antimonopoly Service、FAS)に訴えていた。
そして4月11日、オランダの消費者市場庁はアップルとグーグルの2社に独占禁止法違反の疑いがあるとして、調査を開始すると宣言した。
「アップルとグーグルらは、競争を支配できる特別なポジションに立っている」とオランダ当局は報告書で述べ、「この2社はインフラと、そのインフラ上のサービスを同時に運営しており、アンフェアな競争や一方に有利な市場を形成する可能性がある」と指摘した。
報告書で例示されたのは、Siriの音声操作機能やiPhoneの新型モデルに搭載されているNFCチップへのアクセス権に関わる問題だ。また、顧客データがアプリの提供元ではなく、アップルやグーグルの手に渡る点も問題であるとされた。
アップルは米国においては2016年に、出版社5社と共謀して電子書籍の価格を操作したとして独占禁止法違反に問われ、最終的に4億5000万ドルの支払いで和解した。
欧州ではここ最近、テック界の巨大企業に対し厳しい目が向けられており、外部企業向けの大規模なプラットフォームを運営すること自体が、リスク要因になりつつある。規制当局の動きから、大手の競合が存在する市場においても、独禁法が適用される可能性が見えてきた。
GAFAと総称される大手4社の中で、アップルはプライバシー重視の姿勢をとり、フェイスブックと比べると「善良な企業」というポジションをとろうとしてきたが、そのアップルの立ち位置も欧州では安全ではない。