米経済に広がる「独占」が問題である理由

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理由は何であれ、彼らは量的緩和やゼロ(またはマイナス)金利といった短期的な景気刺激策をあまりにも長期にわたって続けてきた。その結果として市場に供給される資金が増えたことが、創造的破壊のプロセスが回避されることにつながったのだ。

米配車サービス大手のリフトやその他のユニコーン企業の新規株式公開(IPO)に関するニュースを聞いている人は多いだろう。これらがニュースになるのは、上場が珍しいことになっているからだ。

上場する企業の数は、(a)安い資本がより長期にわたって非公開企業でいることを可能にし、(b)上場ではなく、より規模が大きく業績が好調な競争相手に事業を売却することで「イグジット」する創業者やベンチャーキャピタルが増加した、という2つの理由で減少している。

競争相手にイノベーションで勝るよりも、「買う」方が簡単で安上がりな経済は、高い確率で停滞に向かっている。

筆者の友人で大抵は弱気な見方をするヘッジファンド・マネージャーのダグ・カシュは先ごろ、アマゾン・ドット・コムの株価について、数年内に3000ドル、2025年には5000ドルになるとの見解を示した。その見通しを聞いて筆者は、スケールについて考えた。どうすればアマゾンの規模と競えるというのだろうか?

それはちょうど、小規模の農家が姿を消していくのを見るようなものだ。私たちは農家のことを心配するが、市場は規模を要求する。地元産の野菜を提供する小規模の農家は生き残ることができるだろうか?もちろんできる。だが、それはニッチ市場においてだ。

世界はより少ない企業による競争と大企業に占められる方向に進んでいる。それが現実だ。私たちは、変化する世界に対応していくほかない。

編集=木内涼子

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