「7ページ目の一番下に『Pays To Read(読めば報われる)』の文字を見たときの私の驚きを想像してみてください」とアンドリュー。その次の段落には、これを読んだ人は旅行保険サイト、スクエアマウス(Squaremouth)のコンテストで優勝したことになると書かれていた。
約款を最後まで読んだ最初の人物だったアンドルーズは、1万ドル(約110万円)の賞金を受け取ることとなった。
コンテストは、顧客が契約内容を全て確認するよう奨励し、旅行保険に関する世間の理解を向上するため、スクエアマウスが企画したもの。同社の推計によると、旅行保険契約者の中で契約情報を全て読む人は1%に満たない。「私たちはこれを変えようとしている」と同社のクリス・ハービー最高経営責任者(CEO)は語る。
契約条件、特に旅行保険に関しては、多くの人が自分は内容を大体理解していると考え、確認をおろそかにしている。だが理解が十分なケースはほとんどなく、不運で時に悲劇的な誤解につながっているのが現状だ。
約款の最後には驚きの言葉が
アンドルーズにとって、契約を読むことは習慣となっているという。「私はいつも契約にサインする前に、適用対象になるものとならないものをきちんと理解するため、契約を全て読んでいます」とアンドルーズ。
「ジョージア大学で消費者経済学を専攻し、物やサービスの消費者として常に賢くあるべきだということを学びました。世の中には契約書や保証書をフォルダに保存している生真面目な人がいますが、私もその一人です」
彼女は友人とのロンドン旅行を予約後、すぐに旅行保険を探し始めた。訪れたサイトの一つが、スクエアマウスの子会社ティン・レッグ(Tin Leg)だ。
同社では、1ドル余計に払うだけで本国送還の補償(旅先で亡くなったときに遺体を送還するための補償)を25万ドル(約2800万円)から倍の50万ドル(約5600万円)に増額するオプションを提供しており、アンドルーズはこのプランを気に入った。