約款を最後まで読んだ米女性 110万円の賞金受け取る

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スクエアマウスが「Pays to Read」のコンテストを始めたのは2月11日のことで、対象期間は1年間とされていた。

1年の間に契約内容を全て読む人が現れれば、その人に1万ドルの賞金を進呈すると同時に、子どもの識字率向上に取り組む慈善団体に1万ドルを寄付するもので、賞金を受け取る人が現れなかった場合でも慈善団体には1万ドルを寄付する計画だった。

同社は、1年間に規約を最後まで読む人が現れるかどうか確信が持てずにいたが、アンドルーズのような消費者がいたおかげで、コンテストは24時間も持たなかった。

契約内容を読まないとどうなるか

契約内容をきちんと読まなければ、さまざまな問題が生じ得る。以下に、私が運営する非営利消費者団体に寄せられた事例を紹介しよう。

米国のある女性は、旅行保険の契約内容を確認しないままサウスダコタ州に旅行に出かけ、旅先で夫を亡くした。彼女が購入した旅行保険は治療や医療移送を補償しておらず、旅の中断・延長時の最高補償額は846ドル(約9万円)だったため、最終的に医療費2万8333ドル(約315万円)の大半は自己負担となった。

また「どんな理由でもキャンセル可能」とされた契約を購入した女性は、文字通りどのような理由で旅行をキャンセルしても大丈夫なのだと思い込み、注意事項を読まなかった。

しかし、契約には払い戻しができる条件がいくつか設定されており、彼女のキャンセル理由はその中に含まれなかったため、旅行代金から手数料と保険料を差し引いた金額を今後使える旅行割引券として受け取った。彼女は支払請求をするまで、そのことを知らなかった。

私もつい先日、新しく契約した医療保険の内容を確認せず失敗した。健康診断を予約した後に、保険会社から健康診断は適用外との連絡を受けたのだ。

約款を読むメリット

スクエアマウスのハービーCEOによると、約款を読むべき理由は3つある。

1. 最大限の補償を受けるため

「多くの顧客はトラブルが起こるまで保険契約を読まず、自動的に補償されているものと思い込むことが分かっている」とハービー。「しかし、支払い請求が提出されても、その多くは最初から補償の対象外とされていたために却下される。これは、契約の詳細を理解していなかったことが原因であることが多い」
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編集=遠藤宗生

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