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「米中関係はここ数カ月の対立を経て、改善に向かいつつある」と、米国で成功した中国系アメリカ人グループのトップは話している。

「4カ月前に比べれば、米中間の対立ムードは和らいだ」と、年に1度ニューヨークで開催される「Committee of 100(100人会)」のチェアマンを務めるロジャー・ワン(Roger Wang)は、先日の筆者の取材に応えた。

Committee of 100は米国で暮らす中国系アメリカ人たちの会議で、米中関係の発展を目指している。米中両国でビジネスを行う不動産大手「ゴールデンイーグル・インターナショナル」会長のワンの資産額を、フォーブスは40億ドル(約4400億円)と試算している。

筆者がワンに話を聞いたCommittee of 100の会場には、約600名のビジネス界のリーダーらが集結した。中国のテクノロジー業界からはバイドゥのグローバル部門のZhang Ya-Qinや、動画ストーミング「iQiyi(愛奇芸)」のCEOのYu Gongら。米国の政界からは、オバマ政権下で駐中国アメリカ大使を務めたマックス・ボーカスや、ローレンス・サマーズ元財務長官らも参加した。さらに、世界的チェリストのヨーヨー・マの姿もあった。

ワンは会場で「貿易戦争と呼ばれている対立は、実際のところそれほど酷いものではない」と発言した。「貿易は双方に利益を与えるものであり、時間をかけて話し合えば、必ず落とし所が見つかる」と彼は続けた。

ワンはさらに、テクノロジーや知的財産権(IP)の問題においても、米中は歩み寄ることになると話した。「中国のIP侵害をやめさせることは、米国や西側諸国のメリットになるだけでなく、中国のテクノロジーの健全な発展を促進する」と彼は話した。

一方で、米国は中国に対し市場をオープン化し、海外企業の参入を容易にすることを求めているが、そこにはまだ課題があるという。「適切な基準を定めるべきだ」とワンは話し、ファーウェイ問題についても「法に基づいた妥当な決定が導かれるだろう」と述べた。

米中の対立の緩和は、株式市場の動向によっても裏づけられている。中国や香港市場に上場する企業の株価は、ここ数カ月で大きく持ち直した。一方で、将来的には、米国にとってより大きな課題が浮上することになるとワンは指摘した。

それは、経済規模においても、テクノロジーの先進性においても、中国が米国を上回るようになった場合、「米国が中国との関係をどう捉えるかだ」とワンは話した。「米国はどうやれば、うまく中国との関係を維持できるかを問われることになる」と彼は続けた。

編集=上田裕資

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