「謙虚なリーダー」が会社の成功に必要な理由

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自分のことが大好きな人の下で働いた経験は、誰しもがあることだろう。自分が話すことは好きだが人の話を全く聞かない人、それが実際に使えないものであったとしても自分のアイデアが一番優れていると思っている人、自分の名前がメディアに載ることがうれしくてたまらない人などだ。

こうしたリーダーのそばで働くのはつらいが、問題はそれだけではない。リーダーの傲慢(ごうまん)さは、企業の最も目立つ特徴となり、ブランドを傷つけ、悪い商習慣につながってしまう。

インターネット上には、自らのエゴのせいで会社を台無しにした起業家の話があふれているが、問題はビジネス文化にもある。経営者らは、謙虚さが不安や優柔不断さ、さらには屈従の証として受け止められることを恐れているが、謙虚な態度はサーバント(奉仕型)リーダーシップの根幹となる部分だ。自分のチームに仕えることをミッションとするリーダーは、部下に対して自主性や責任、建設的な失敗を促す。これらは全て、優れたブランドの特徴だ。素晴らしい会社を構築するには謙虚さが欠かせないのだ。

謙虚になることの難しさ

謙虚になるための最初のステップは、最も難しい関門でもある。それは、自分のエゴが成功の邪魔をしていると認めること。これを乗り越えさえすれば、次の4つのステップを楽にこなせる。

1. チームメンバーに、自分で役割を決めさせる

うぬぼれたリーダーは、肩書について注文をつけたがる。自分以外には低い役職を付けておきながら、自分については必ず「最高経営責任者(CEO)で創業者」という肩書きをつけさせるのだ。

サキブ・クレシ博士は著書『Reconstructing Strategy(戦略の再構築)』の中で、こうした行動により部下の低い立場が強調され、チームメンバーが離れてしまうと指摘。例として、ディズニー映画『トイ・ストーリー』でのバズとウッディのやりとりを挙げている。

バズはウッディから「君はおもちゃだ」と言われるものの、自分は宇宙防衛を担うスペースレンジャーだと答えて突き放す。バズが自分はチームの重要な一員であると感じるようになるのは、ウッディがバズの自己認識を受け入れ、スペースレンジャーの役割の重要性を認めてからのことだ。
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編集=遠藤宗生

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