NY伝説のシェフが語る時計収集への「偏愛」

ニューヨークと東京を拠点にシェフ活動を続けているマイケル・ロマーノ

ニューヨークのベストシェフにも選ばれるなど華々しい経歴のシェフ、マイケル・ロマーノ氏はIWCウォッチの何に魅了されたのか?


「年越しの瞬間は、IWCのビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダーの文字盤をじっと見つめて、曜日・日・月・年のすべてが同時に変わる様子を動画におさめました。年が変わるのは1年に1回だけだから、とても貴重なタイミング。これを見届けるのは、時計マニアの醍醐味でもあります。

今年は日本で新年を迎えたので、NYからビッグ・パイロットのパーペチュアル・カレンダーを2種類持ってきて、ひとつは日本時間に合わせて、もうひとつはNY時間のままにしていたんです。なぜか? 文字盤の年が変わる瞬間を2回楽しめるからですよ」

“ニューヨークの伝説のシェフ”とも呼ばれるマイケル・ロマーノ氏は、熱烈なビッグ・パイロット・ウォッチコレクターとしての一面も持つ。その偏愛ぶりは、彼がビッグ・パイロットシリーズだけで32本もの時計を自宅にコレクションしていることからも十分に伝わってくるだろう。

なかでも特に気に入っているのは、『星の王子さま』や『夜間飛行』などの作品で知られるサン=テグジュペリに捧げるモデルの“プティ・プランス”と“アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ”の両シリーズだ。

「作家であり、パイロットでもあるサン=テグジュペリを、私はとても尊敬しているんです。『星の王子さま』を読めば、彼の繊細でやわらかな感性が伝わってくる。その一方で、自叙伝からは、パイロットとして、危険を冒すことも厭わない勇敢さもうかがえる。非常に多才で魅力的な人物です。

彼をモチーフにしたIWCのビッグ・パイロットの大きな文字盤の豪快さは、まるで彼の冒険家精神を表現するかのよう。それでいながら、月齢を知らせる『ムーンフェイズ』の部分には星の王子さまが自分の星(月)に立っているイラストを施すなど、細かな部分に至るまで職人の技が宿っている。時間を確認するためではなく、デザインの美しさや素晴らしさを愛でるために時計を見つめることもあります」

サン=テグジュペリの人間性に強く惹かれるのは、彼自身が、料理という繊細さと大胆さが求められる分野で挑戦を続けてきたからなのかもしれない。
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文=吉田彩乃 写真=廣瀬順二

この記事は 「Forbes JAPAN プリンシプル・カンパニー」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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