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エルメスが「一線」を越えた──創業182年になるフランスの高級ブランドはこのほど、ニューヨークで5カ所目となる店舗を開業した。同市内では初の、高級店が立ち並ブマディソン・アベニューやフィナンシャル・ディストリクト以外での出店となる。

米国内で36カ所目となる新店舗は、流行の先端を行くミートパッキング地区にある。インタビューに応じたエルメスUSAのロバート・チャベス最高経営責任者(CEO)はこの店舗について、「次の世代の顧客を引き付けることができる」と述べ、客足の伸びに自信を見せた。

次の世代の顧客にアピールすることは、エルメスにとって極めて重要なことだ。コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーの調査によると、世界の高級品市場の成長率(前年比)への貢献度は昨年、Y世代(ミレニアル世代)とZ世代が100%を占めた(2017年は同85%だった)。

従業員は「スニーカー」着用

2階建てで面積およそ495平方メートルの新店舗には、エルメスにとって初となるものが数多くある。

取り扱う商品は、スケートボード用バッグや自転車、スニーカー、カジュアルなラインの衣料品など。店舗周辺の雰囲気に合わせ、主に若者向けのアクティブなイメージのものとしている。従業員用には初めて、従来と異なる「カジュアルな」制服を用意した。エルメスのスニーカーをはくほか、男性はネクタイを着用しない。

チャベスによれば、これは同社にとっての「大きな変化」だ。新店舗の全体的なコンセプトを伝えるためのものでもある。そして、同CEOも認めるエルメスの課題に対応する上でも重要なものだ。
課題とは、「エルメスは少し澄ました感じがするといわれることがある。来店客を少しおじけづかせてしまうのかもしれない」ことだ。

ベイン・アンド・カンパニーによれば、エルメスは2025年まで毎年3~5%の成長が見込まれており、業界の中でも好調を維持している。そうした中で同社が「一線を超える」のは、より若い消費者を引き付けるためだ。

編集=木内涼子

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