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企業向けの決済ソフト企業「Bill.com」が8800万ドル(約98億円)を調達し、マスターカードと戦略的パートナーシップを結ぶとアナウンスした。

カリフォルニア州パロアルト本拠のBill.comの今回の調達は、Franklin Templetonが主導し、評価額は10億ドルを上回った。今回の出資にはフィデリティのカナダ支社やKayne Anderson Rudnick、テマセク、Cross Creek、FLEETCORらも参加した。

Bill.comは決済システムを自動化するソリューションのPayment Management Platformを中小企業向けに提供中で、年間の決済額は600億ドルを超えている。

フィンテック領域ではこのところ、中小企業向けのソリューションを提供する企業が脚光を浴びており、Bill.comもそのトレンドの追い風を受けている。伝統的な金融サービス企業は、この分野に新たな成長機会を見出している。

スタートアップ企業向けにクレジットカードを提供するBrexも、その一例といえるだろう。今年1月にBrexは1億2500万ドルを調達したが、その際の評価額は11億ドルに達していた。

Bill.comがターゲットとするのは企業間の決済だが、この分野では今でも紙の小切手が主要なツールとなっている。同社のデータによると、年間58兆ドルに及ぶ企業間決済の80%が小切手によるものだ。

Bill.comのソリューションは中小企業らのインボイスや支払いの受け取りを、クラウド上で完結させる。「企業間の決済は変革の時期を迎えようとしている。小切手を過去のものにする仕組みが求められている」とBill.com創業者でCEOのRené Lacerteは述べた。

マスターカードとの提携でBill.comは中小企業にヴァーチャルなクレジットカード口座を提供し、入出金を一元的に管理する。これにより、企業は支払いサイクルを合理化し、キャッシュフローを改善できる。

「紙ベースの小切手はコストがかかり、トラッキングが難しく不正の原因にもなる。ヴァーチャルカードならば、そのような問題とは無縁だ」とマスターカードの北米ビジネス部門のGinger Siegelは述べた。

過去数年間に渡り中小企業向けサービスの増強に務めてきたマスターカードが、Bill.comと提携するのは自然な流れだ。中小企業との取り組みにはリスクもあるが、金融サービス企業にとって、この市場は巨大な成長が見込める。

マスターカードは自社で一からフィンテックサービスを生み出すことよりも、外部との提携を選んだ。「当社は顧客のニーズを中心に置いた戦略を立てており、今後は現金や小切手に代わるソリューションを提供していく」とマスターカードのSiegelは述べた。

編集=上田裕資

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