そこで私が取材した1人の人物は、ある考察を述べた。それは、人材を必要とする部署の管理職は技術的要件など分かりやすいものだけでなく「学ぶ意欲と前向きな態度」など、漠然とした資質に注目することが多いということだ。
私はこの考えに全く同感だ。またこのことをきっかけに私は、マネジメントの分野で自分が長年培ってきたキャリアの中で従業員に求めてきた資質についても考えさせられた。私はこうした資質が、従業員の長期的な成功を示す指標であると考えるようになった。
ここでは、こうした4つの性質を紹介する。最初の2つは既に示唆したものだが、さらに深く議論する価値があるだろう。その他の2つはあまり目立たないものだが、必ず従業員の役に立つものだ。
1. 前向きな態度
これが、多くの管理職の優先事項となっていることにはほとんど疑う余地がない。前向きな人とは一緒に働きやすいし、一緒に働きやすいことは毎日仕事をする上で重要なことだ。
また前向きな態度は、協働やチームの人間関係などマネジメントにとって重要な分野においても良いことだ。これは至ってシンプルなことで、キャリアの成功に必要なのは短期的な素晴らしさではなく、強固で長期的なパフォーマンスなのだ。
2. 学ぶ意欲
広い心を持ち、新たなデータを吸収し、新しいスキルを学ぶことは、従業員が長期的に成功を収める上で欠かせないものだ。
変化のスピードが速い現代のビジネスにおいては、迅速に適応する能力や俊敏さ、精神的・心理的柔軟性が鍵だ。従業員がある一定の業務をいくつか習得し、何年もそれを繰り返すことで成功できた時代は過ぎ去った。
ここまでに挙げた2つの資質は、管理職の頭に優先事項として据えられていることが多い。次の2つはあまり目立たないものだが、それでも価値のあるものだ。