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2019.04.09

「陰謀、策略、中傷だ」カルロス・ゴーン氏動画で訴える 現経営陣批判も 緊急会見で語られたこと

日本外国特派員協会で記者会見を行う弘中惇一郎弁護士(中央左)と小佐々奨弁護士(中央右、2019年4月9日撮影、Getty Images)


以下、会見での質疑から引用する。

──なぜ、もともと9分間あったものを編集したのか、プレスに公開するリスクがあるものとしては何があったのか。また、なぜ国内に編集前の物を公開して、海外メディアには公開しないのか。

カットしたものは1点のみ。陰謀を行った主要な方々の実名部分のみです。秒数で言えば、20〜30秒だと思う。また国内に、編集前のものを公開したことはありません。

──今回の逮捕で、制限住宅から、保釈の条件の一つになっていた監視カメラが差し押さえられたことについて。カメラが調査の前後に取り去られたのは、保釈条件の規則に反しなかったのか。

逆に検察官がカメラを持っていってしまったので、保釈の条件が満たされなくなりました。

──検察官も司法取引などで実名をリークしている。今回、動画から実名を削除したことについて。かえって弁護を損なうことにはならないのか。むしろこの場で名前を公開した方がよかったのではないか。ゴーン氏は本当に編集に承知、合意しているのか。

検察官がリークしている方法は正しいことではない。また、実名を列挙することには、法律的なリスクが伴う。本人に接見し、話し合いをした上で、納得してもらいました。

──日本で弁護士抜きの尋問が行われたら、ゴーンさんにどのようにアドバイスするか。黙秘するように云うか。発言を勧めるか。

ケースバイケースだが、今回は黙秘するようにアドバイスしている。

──特別抗告の根拠を聞かせてほしい。

もともと保釈中の人の再逮捕は稀であることに加え、最高裁では罪障隠滅の恐れを指摘する際は、具体的な根拠がなければならないとされている。これに反するので、特別抗告を決めました。

文=石井節子

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