中年期の活動量がアルツハイマー病の発症と関連? 女性800人で調査

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社会経済的地位や体重、喫煙の習慣、高血圧、うつ病や糖尿病など、その他の要因について考慮した場合でも、これらの結果に大きな変化はなかった。研究チームはこれらの結果から若年性認知症を発症した女性の影響を除外するための分析も実施したが、その場合も、身体的な活動と全てのタイプの認知症の発症リスクには相関関係が確認された。

結果をまとめた論文の筆頭著者であるスウェーデン、ヨーテボリ大学の医師は、これらの結果が示すのは、中年期における活動が、認知症の予防に役割を果たす可能性があるということだと指摘する。

一方、この研究結果については、いくつか注意すべき点もある。まず、調査対象者が全て(スウェーデン人の)女性であり、一般集団から同じ結果が得られるとは限らないということだ。

また、参加者の活動レベルは自己申告であり、臨床的に評価されたものではない。調査対象としたグループは(少なくとも自己申告に基づいてみれば)、身体的に「非常に」活発だった。

800人の女性のうち約80%が活発なグループに分類されていたことから、この研究と全人口を対象とした研究の結果は、異なるものになることが推測できる(身体的に「活動的」だったグループと「非活動的」だったグループのそれぞれで認知症を発症した人の数に大差はなかったが、統計的には有意な差だった)。

このようなタイプの研究が全てそうであるように、今回の結果が示すのは相関関係であり、因果関係ではない。ただ、認知症と活動量に関する過去の研究結果はいずれも、同様の相関関係を示している。

中年期に身体的にも精神的にも活動的であることは、認知症の治療方法ではない。だが、発症リスクを低減させる上での潜在的な重要性は、ますます高まっていると考えられる。

編集=木内涼子

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