大坂のマネジメント会社IMGは4月5日、米オレゴン州に拠点を置くナイキと大坂の契約締結を発表した。昨年末までが期間となっていたアディダスとのウエアやシューズに関する契約は更新されるとみられていたが、大坂は延長への合意に署名をしていなかった。
カリフォルニア州インディアンウェルズで開催されたBNPパリバ・オープンの期間中、大坂はナイキと契約しているフランシス・ティアフォーと練習をしており、同選手が使用するシューズ「ナイキコート エア ズーム ゼロ」についても話をしていたという。
大坂がスポンサー契約を結んでいたのは昨夏まで、日本のラケットメーカー、ヨネックスのほか、アディダスと日清食品、WOWOWだった。だが、8月末にはシチズン時計、翌9月には日産のブランド大使に就任(契約料は公表されていない)。
日産とスポンサー契約をした大阪なおみ(Photo by Jun Sato/WireImage)
その後は11月に資生堂、今年1月に全日空、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)と契約。全米オープンでの勝利以降、大坂は合計6社と新たにスポンサー契約を結んでいる。
テニスの能力以外の魅力
日本と米国の両国で多くの人が彼女に魅力を感じていることが、大坂のスポンサー契約を増やしている。そして、それにさらに大きく影響しているのが、大坂がテニスコートの上で見せる能力と、それ以外の場所で見せる言動の非常に前向きなトーンだ。
(Photo by Marek Janikowski/Icon Sport via Getty Images)
IMGのスチュアート・ダギッドによれば、「初優勝した全米オープンの決勝戦があれだけの関心を集めたことが、なおみへの注目度をさらに高めたことは確実だ」。
ダギッドは、その試合の中で示されたのは彼女のゲームとパーソナリティーだとして、「より多くの人からの関心を集めるようになるのは時間の問題だった」と話す。
IMGは、大坂に自社のロゴを身に付けてほしいと希望する企業は多数あり、各社と協議中であることを認めている。2020年東京五輪を前に、各社は大会の顔となることが期待されるアスリートを支援することに「明白な関心」を示している。
大坂のスポンサーは当初、日本企業が中心だった。ラケットメーカーのヨネックスは、まだ幼かった大坂への支援を求める母親からの連絡を受け、サポートをするようになった。だが、ダギッドによると現在の大坂は、「国を超えて」注目を集めている。アジアと米国を中心に「世界規模で高い関心を得ている」。
試合でのセリーナ・ウィリアムズと大阪なおみ(Photo by Mohammed Elshamy/Anadolu Agency/Getty Images)
大坂のキャリアがまだまだこれからであること、アジアでテニスの人気が高まっていること、大規模なスポンサー契約が見込まれることは、大坂が最も稼ぐ女性アスリートになる可能性があることを示している。年収の上位10人のうち、セリーナ・ウィリアムズをはじめ8人がテニス選手だ。
ダギッドは、「幅広く人々の心を強く引き付けるなおみの魅力が、彼女にその可能性を与えている。そして、彼女のキャリアはまだ始まったばかりだ」と語る。
「より多くのトーナメント、グランドスラムで勝利することが彼女にとって最優先であることは間違いない。それを実現していくことができれば、世界は彼女の思いのままだ」