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2019.04.09 06:30

有給休暇5日義務化で取得の「罪悪感」は薄まる? ──イタリアの「有給26日」との落差

Getty Images

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「世界最下位」を更新、取得の罪悪感は世界一──日本人の有給休暇取得率

昨年の「働き方改革」関連法成立に伴い、労働基準法が一部改正された。追加された、雇用者が労働者に年次有給休暇を5日取らせるという「有給の時季指定義務」が、4月1日から施行された。

これは有給取得率の改善を狙ったもので、具体的には「年間10日以上の有給を付与された労働者に対して、有給付与日から1年の間に最低5日間は取得させなければならない」というものだ。

この義務化で、有給取得を申し出る時に罪悪感を感じる人、あるいは周囲を気にして取りにくいと感じる人は減るだろうか。

ちなみに、世界19カ国18歳以上の有職者男女計1万1144名を対象としたというエクスペディア・ジャパンの2018年の調査によると、「取得の罪悪感」についてはじつに58%、日本人が世界最高という結果になっていた。逆に有給休暇取得率は、3年連続で世界最下位だった。





厚生労働省の2016年の意識調査でも、63.8%が有給取得に「ためらいを感じる」「ややためらいを感じる」と回答している。その理由は「みんなに迷惑がかかるから」がトップだ。



(2016年データ:厚生労働省「仕事と生活の調和」の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査)


イタリアの「最低」有給日数は(試用期間でも)「26日間」

それでは、世界でも有給取得率が高く、罪悪感が低いというデータが出ているイタリアの「有給事情」はどうなっているのか。イタリア・ヴェネツィアの会計事務所「BONET LEPSCHY & ASSOCIATI」の会計コンサルタントジョヴァンナ・クリッシ氏に、同国の有給休暇に関する法規に関して教えてもらった。以下抜粋引用してみる。


イタリア・ヴェネツィアの会計事務所「BONET LEPSCHY & ASSOCIATI」会計コンサルタント、ジョヴァンナ・クリッシ氏

「労働者は、イタリア憲法の第36条第3項、及び民法第2109条により定められた、年次有給休暇の放棄し得ない権利を有する。

・日数について

有給休暇の最低日数は、4週間(26日間)と定められる。ただし、各々の会社が適用する団体協約により、最低日数は延長されることはあるが、短縮されることはない。

有給休暇の日数は就業期間に応じて付与され、たとえ就業期間が1年未満であっても、また試用期間であっても同様である。

また、労働者の希望に応じ、最低2週間は、分割せず一括で消化されなければならない。有給休暇の取得申請は、雇用主が企業と被雇用者双方の利益を考慮し公正に調整できるよう、時宜を得て申請しなければならない。

義務として定められた最低4週間の有給休暇のうち、残りの2週間は分割消化も可能だが、(会社の)団体協約により別途定められた期間がある場合を除いて、年度末(6月30日)から18カ月以内に消化されなければならない。

有給休暇は、翌年以降に延期せず年度内に消化すべきという原則を尊重しなければならない。
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イタリア語翻訳=大村紘代

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