子どもたちを不適切なコンテンツから守る、ネットフリックスの努力
2011年にローンチされた、子ども・家族向けの作品専用カテゴリー「Just for Kids」
例えば、オリジナル映画『バード・ボックス』や『ポーラー 狙われた暗殺者』などは素晴らしい作品ではあるが、子どもたちにとっては刺激が強く、適切な作品であるとは言えない。そうした作品を子どもたちが間違って視聴してしまわないよう、前述の通り、2011年に子ども・家族向けの作品専用カテゴリー「Just for Kids」をローンチ。キャメロン・ジョンソンは開設の狙いを、つぎのように語る。
「視聴できる作品が“12歳以下の子ども向けのみ”に絞り込むこともそうですが、子どもたちはキャラクターを通じて作品とつながる可能性が高い。キャラクターは子どもたちが観たい作品かどうかを識別する方法になるので、そのカテゴリーを見たら、すぐにキャラクターが分かるよう、2011年に子ども・家族向けの作品専用のカテゴリー『Just for Kids』をローンチしました」(キャメロン)
ローンチ以降、行動データを分析しながら改善していく。これを繰り返していき、2年後の2013年にはキッズ用プロフィールを作成。現在、ネットフリックスにログインするとき、デフォルトでキッズ用プロフィールが選択肢のひとつになっている。
2013年にリリースされた、キッズ用プロフィールの選択画面
同年から子ども向けのオリジナルコンテンツを開始したほか、ネットフリックスがあらゆるデバイスから視聴できるようになったことに合わせて、子ども向けにも対応したことでプロフィール数が右肩上がりで増加。キャメロンによれば、2019年2月の1カ月間だけでも5000万ものユーザーに視聴されている。
「6年間の試行錯誤で感じたのは子ども向けではないですが、子どもたちは料理や旅行などの作品も好きということ。ネットフリックスの作品を見ることで、色んなことに興味を持つようになっています。これは新しい発見でした」(キャメロン)
TVプロダクト・イノベーション ディレクターのキャメロン・ジョンソン
また、目を離していた隙に子どもが大人向けの作品を観ないよう、ネットフリックスはペアレンタルコントロール機能を提供している。
これは未就学児対象(お子様視聴可)、小学生対象(G)、中高生対象(PG12)、成人対象(R15+、R18+、成人)と年齢ごとに視聴できる作品を制限するもの。
作品をクリックした際は、暗証番号を入力しないと再生できないように設定できる。この機能があることで、親たちは安心して子どもたちにネットフリックスを使わせることが可能だ。
「私の8歳の娘は『The Great British Baking Show』を全シーズンを見て、料理に興味を持ちました。その後、『ファイナル・テーブル』や『パーフェクト・スイーツ』、『スイーツ・チャンピオン』を観ていますし、今後もっと観ることでしょう。私も料理が好きなので、親子で共通の話題を持てるのは素晴らしい体験です。私たちは作品を通じて、こうした家族のための時間、経験を創出していきたいと思っています」(キャメロン)