ビジネス

2019.04.19

インドOYOの日本参入 「取り残されたホテル」の活路となるか

OYO創業者兼グループCEOのリテシュ・アガルワル氏(Getty Images)


賃貸住宅市場への参入前より囁かれていた、同社の日本のホテル業界への参入。新サービスの開始後、間髪入れずに実現する形となった。

OYO Hotels Japanの事業展開を主導するのは、OYO創業メンバーで、グローバル事業設立経験も豊富なプラスン・チョードリー(Prasun Choudhary)氏。OYOのテクノロジーとビジネスモデルに、ソフトバンクが持つ日本市場への知見を融合させたサービスを旅行者とホテル経営者の双方に提供する。日本の旅行者に新しい宿泊体験を提供すると同時に、提携先のホテル経営者のビジネス拡大をサポートする狙いだ。

低価格市場の競争がより激化する

今回のOYOのホテル事業参入について、ホテル経営者はどのように捉えているのか。あるホテルプロデューサーは以下のように語る。

「ホテルが過当競争化している状況下で、自社ののれんでは競争力の低い独立系ホテルをOYOグループに取り込んでいくことになると予想しています。情報を見る限り、グローバルチェーンであることとプライシングシステムに強みがあるように感じました。最小限の投資でロスなく客室在庫を販売できること、グローバルに顧客を獲得できることで安定したホテル運営ができるようになるのではないのでしょうか。

ホテルラッシュが叫ばれていますが、ホテル業界全体を俯瞰すると経営不振や経営者の高齢化により客室数全体は大きく減っています。IT化、グローバル化の流れに取り残され、淘汰されいく運命だったホテル・旅館の多くがOYOとの提携によって活路を見出すのではないでしょうか。また、ホテル業界全体としては、低価格市場の競争がより激化していくものと予想しています」

OYOのサービス開始時期は現時点で未定だが、全国のホテル経営者と交渉後、サービス体制を整えた上でスタートダッシュを切ることが予想されている。

OYOの創業者でグループCEOのリテシュ・アガルワル(Ritesh Agarwal)氏は、「OYO Hotels Japanを通じて、国内および海外からの旅行者に独自のおもてなしをしていきます」と、アジアで最も人気のある観光地の一つとして急成長する日本での展望を語っている。

文=大竹初奈

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