石油への依存を減らすことは環境を改善し、人々の健康問題を解決する。世界保健機関(WHO)のデータでは、アジア地域では毎年220万人もの乳幼児が、大気汚染に絡む健康被害により亡くなっている。
モンゴルの首都ウランバートル本拠の「Clean Energy Asia」は、ゴビ砂漠に風力発電所を建設し、石油への依存度を引き下げようとしている。現在30歳のOrchlon Enkhtsetsegが創業した同社は、モンゴルの通信企業NewcomとソフトバンクのSBエナジーと共同でジョイントベンチャーを立ち上げた。
モンゴルはロシアから輸入する石油に頼っており、暖房が必要になる冬の間は激しい大気汚染を引き起こしている。Enkhtsetsegはモンゴルの風力や太陽光を活かして、この問題を解決し、将来的には母国をエネルギーの輸出国にすることを企んでいる。
これまで1億2800万ドル(約143億円)を調達したClean Energy Asiaは、ゴビ砂漠に出力規模5万kW(50MW)の風力発電所を建設し、2017年末から商業オペレーションを始動した。
インドの太陽光発電企業「Hartek Solar」も、家屋の屋根に取り付ける太陽光パネルを用い、クリーンで手頃な価格の電力を一般家庭にもたらそうとしている。現在28歳のSimarpreet Singhが設立した同社は、移動式の太陽光発電車両も開発し、インドの僻地のコミュニティに電力を届けている。
「インドでは3億人もの人々が、電力にアクセスできないでいる。Hartek Solarはこの市場をターゲットとし、社会にインパクトを与えようとしている」とSinghはフォーブス・アジアの取材に述べた。
パキスタンの29歳の女性起業家、Zainab Bibiも石油代替エネルギーの開発を進めている。彼女は石油に代わるエネルギーを調査し、環境問題に対する意識向上を目指す組織「Pakistan Society for Green Energy(PSGE)」を立ち上げた。
Bibiは乾燥地域でも育ちやすいアブラナ科の植物、カメリナ・サティバから採れる種油をバイオディーゼル燃料として活用する研究を進めている。彼女は2016年に英国エリザベス女王が主催する賞の「Queen’s Young Leaders Award」を受賞した。