残業を避ける3つの方法

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「Work smarter, not harder.(懸命にではなく賢く働け)」というのは使い古された格言だが、これは実際に正しいアドバイスなのだろうか? 私はキャリアコーチとして、そして過去にひどい燃え尽き症候群を経験した者として、働き過ぎはキャリアパスを突如としてストップさせてしまうことを知っている。

起業を目指しているわけではない人は、残業や時間外労働を命じられると、「やらなければクビ」という圧力をかけられているように感じてしまうかもしれない。米国の寝具企業アメリスリープ(Amerisleep)によるアンケート調査では、労働者の82%が残業を命じられた経験を持ち、61%が残業を断ればクビになるかもしれないと感じているとの結果が出た。

以下に、上司から何度も残業を求められた際に役立つかもしれないヒントを幾つか紹介する。

1. 最近残業が多いことを伝える

大企業の場合、上司が部下に対して週に何度も残業を求めていることを単に忘れていることもあり得る。前出のアメリスリープの調査によると、労働者が1週間に残業を依頼される回数の平均は2.5回だった。まずは、上司に自分の仕事量や優先事項、それらをこなすのに週に何時間必要かを伝える。その上で、追加の仕事をするためには週に何日残業する必要があるかも説明する。上司に助けを求め、仕事量をどう調整すべきかを一緒に決めれば、自分が仕事に熱意を持っていることと、自分の中での優先順位を必要に応じて変える用意があることを示せる。

2. 自分のキャリアパスについて正直になる

仕事やキャリアパスの中には、残業が仕事の一部だというものもある。アメリスリープの調査では、労働者の60%が残業には価値があると回答した。まずは、自分の目指す方向に沿っていて、かつ会社のためになるような目標を考えること。そしてそれを上司に示した上で、仕事量を調整できる部分を模索し、今の仕事を自分のキャリアに役立てられるようにしよう。

3. 早めの出勤を申し出る

自分から提案できるもうひとつの解決策として、今日残業するのでなく、翌朝に定時よりも早く出勤する方法もある。あなたが朝型の人であれば、こうすることで職場での生産性も上がる。2012年にトロント大学が発表した論文によれば、朝型の人は夜型の人と比べ、全体的な気分がポジティブな傾向にあることが示された。あなたが追加の仕事をこなしつつも夜の時間を犠牲にしない代替案を提案したことに、上司は好印象を持つかもしれない。また、この提案により自分の交渉力と問題解決能力を示すこともできる。

納期が迫っている時や、クライアントが増えたり、自分の役職や職務内容が変わったりした時には、残業を依頼されることもある。しかし、強要されていると感じたり、追加業務ができないと職が危ぶまれると感じたりするような場合は、別のキャリアパス、少なくとも別の会社を探し始めるタイミングかもしれない。ここで挙げたヒントをきっかけに、自分が今抱えている問題や社内での自分の将来について上司と話し合ってほしい。そうすることで、上司があなたの時間や仕事に対する前向きな姿勢を尊重してくれるようになればいいと思う。

編集=遠藤宗生

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