「ミレニアル世代とお金」に関する5つの誤解

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米国ではミレニアル世代のおかげで、ファストフード業界が大打撃を受け、ゴルフは消滅寸前、マヨネーズは死んだも同然。ミレニアル世代は退職後のための貯蓄ができず、支出を管理することもできない。「ぜいたくな」コーヒーやアボカドもやめられない。だが、それ以外にできないことはほとんどない──。

こうした評価の中で、一体何が本当で、何が誤りなのだろうか?

大半は後者に分類される。ミレニアル世代をステレオタイプに当てはめて表現すれば、ヘッドラインとしては注目を集める。ただし、それらは単なる思い込みの場合が多いのだ。
以下、「ミレニアル世代とお金」に関する5つの誤解を紹介する。

1. 老後に備えていない

はっきりさせておこう。一般に22~37歳までとされているミレニアル世代以外にも、必要なだけの老後用の貯蓄をしている、あるいはしていたことがある世代はない。ミレニアル世代が努力をしてこなかったわけでも、親や祖父母の世代に比べて大幅に努力が不足しているわけでもない。

最新の消費者金融調査の結果によると、世帯主が35歳未満の老後向け貯蓄の中央値は、1万2300ドル(約137万円)だ。十分な金額ではない。それでも、55~64歳の中央値である12万ドルもまた、十分ではない。そして、この世代の人たちは実際に、定年退職する年齢が間近に迫っている。

2. ばかなことにお金を使う

これは、ミレニアル世代が貯蓄をしていない理由とされることが多い調査結果だ。だが、現実は違う。金融情報サイト「ナードウォレット(NerdWallet)」が昨年の消費者金融調査の結果調査を分析したところによれば、実際にはこの世代は、重要ではないと考えられるいくつかの分野の支出(衣料品、娯楽、アルコールなど)がその他の世代よりも少ない。

3. 職を転々とする

転職に関しては、彼らはX世代と変わらない。米調査機関ピュー・リサーチ・センターが行った米政府データの分析の結果では、2016年に同一企業での勤続年数が5年を超えていたミレニアル世代の割合は、22%だった。

X世代のうち、2000年に(今のミレニアル世代と同年齢だったころ)5年以上同じ企業に勤務していた割合は、21.8%だ。また、実際には大卒のミレニアル世代は、2000年当時のX世代の大卒者よりも長く、同じ雇用主のもとで働いている。

より良い機会を得ることができたとすれば、転職は特に問題のあることではない。それどころか、お金の面でいえば賢明な決断になる可能性もある。
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編集=木内涼子

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