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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

レンジローバー・イヴォーク

ギリシャの国際試乗会で初めてイヴォークを見た時に、思わずニンマリして首を縦に振った。2代目のイヴォークを技術的にここまで思い切り改善させても、外観デザインはほぼ残すというガッツや溢れる自信にエールを送る。

ランドローバーのデザイン部長ジェリー・マクガヴァンは、「それがいいなら執着せよ」という警句に従った。2011年の発売以来、イヴォークは77万台も売れているが、好調の一番の理由は、実はデザインの良さなのだから。新イヴォークは旧型とほぼそっくりさんとして登場したけど、実はドアのヒンジだけが流用。あとはオールニューだ。

2012年にワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞した初代イヴォークのゴージャズなラインとプロポーションを維持するために、マクガヴァン氏は後ろ上がりのベルトラインと、後ろ下がりのルーフラインという特徴を堅持した。

イヴォーク

同社のデザインチームが「キープ・コンセプト」を頑なに貫いたことがよくわかった。これだけデザイン重視にすると、リアの視認性が悪くなるけれど、その解決策として後部のブラインド・スポットを分かりやすくするデジタル・リアビュー・ミラー「クリア・サイト」をオプションで提供する。これは、慣れるのに少し時間がかかるけれど、画像も質もイメージの深さも優れている。

かつてのフォードC1プラットフォームに代わって採用されるのは、同社のプレミアム・トラヴァーズ・アーキテクチャーで、これがこれからのジャガーランドローバー(JLR)のほとんどのSUVの骨組となる。

新イヴォークの全体的なコンセプトは、「多くを付け加え過ぎずに、いかに『足す』か」。なぜなら、サイズは変わらないから。でも、ホイールベースが20mm伸びたおかげで、後部席に身長が180cm以上の人が二人座っても、膝が窮屈ということがなくなった。

トランクは591リットルと先代より大きく、キャビンにも荷物を載せるスペースができた。燃料タンクも大きくなっている。

新プラットフォームを採用することによって、サスペンションが軽量化されたし、走りも豪快になり、乗り心地もよくなった。しかも、この新しい構造でランドローバーが電動化も考えているので、エンジンベイには、プラグイン・ハイブリッドも収まれば、ピュアなEVのパワートレーンも入る。



ということで、プラグイン・ハイブリッド仕様は1年遅れて追加されるけれど、今回、ギリシャのアテネで乗った仕様は、2Lのガソリンターボと、2Lのディーゼルターボ。全世界でガソリン3種類、ディーゼル3種類の合計6種類あるけど、日本に上陸するのは、249psの2Lガソリンと180psの2Lディーゼルの2種類だ。

ガソリン仕様は0-100km/hの加速が7.5秒、259psを発揮する。車重は1820kg以上という重いボディなので、このパワーでも速くはないけれど、一安心って感じ。このSUVの性格に合っていると感じた。僕が乗れた240psの2Lディーゼルはトルクフルな力強いエンジン。低中速トルクはかなり太い感じだったけど、低速では多少エンジン音が聞こえてくるぐらいだ。

従って、ガソリン仕様はそういうデメリットがない。エンジンはより静かだし、ディーゼルほどの振動もない。また高速走行での反応もいいし、静粛性もいいし、全体的に完成度が高い。9速A/Tと4WDが組み合わされることに加えて、ベルト駆動のスタータージェネレーターと48V電源システムを初めて用いたマイルドハイブリッドシステムが搭載される。

これにより、車速17km/h以下でのエンジンストップやモーターによるエンジンアシストが可能となり、燃費やCO2排出の改善が期待できる。9速A/Tは旧型より、素早く反応するけど、変速は運転状況によって多少迷い気味だな。

文=ピーター・ライオン

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