ぼくは、これは今後長くは続かないと思っています。
特にインスタは、ただ「いいね」をほしいがために「フェイクの生活」を送って「フェイクの写真」をわざわざ撮るわけです。みんなからの「いいね」をもらうことを目的にすると、どこかのタイミングで疲れてきます。「なんだか、ばかばかしいな」と思うタイミングがかならず来るでしょう。
もちろん、「SNSによって人と人がつながる」というのは、絶対になくなったりはしません。ただ「承認欲求」を満たすためのSNSは、これから長くは続かないと思うのです。
そこで何をベースにした、何を目的にしたSNSが必要なのか……。
ぼくは「自己実現」をベースにした前向きなSNSが主流になってくるんじゃないかと考えています。
いきなりですが、ぼくらはその「新時代のSNS」をつくりました。「承認欲求」ではなく「自己実現」をベースにした前向きなSNSです。ぼくは、これで世界を変えたいと思っています。
記事の後半で、ぼくらの作ったSNSをご紹介したいのですが、その前にまずは「今がどんな時代なのか」をお話しさせてください。
産業革命の最大の発明は「株式会社」
時計の針を戻して、産業革命の時代──。
この時代は、蒸気機関などいろんな発明がありましたが、いちばん大きな発明とは何だったでしょうか?
ぼくは「株式会社」がいちばん大きな発明だったのではないかと考えます。
株式会社の歴史は意外に浅くて、1602年にオランダ東インド会社が設立されたところから始まります。では、株式会社の何がすごかったのでしょうか? それは「リスクをとった挑戦ができるようになった」ということです。
株式会社ができる前は「事業を始めよう」と思っても、お金を借りるしかありませんでした。たとえば親が金持ちだったりしないとビジネスすら始められなかった。
でも、株式会社ができたことで、「夢」に賛同してくれる人を集めて、リスクをとったチャレンジができるようになったのです。そこに、あらゆる新しい新技術が加わり、いろんなイノベーションが起こって、産業革命が花咲いたわけです。
この「リスクをとったチャレンジ」ができるようになったことで、イノベーションが一気に起こった。その延長線上で完全に花開いたのが、今のシリコンバレーでしょう。「GAFA」を代表に、たった10年とか15年とかでここまで大きくなりました。
「個人」がリスクを取って挑戦する仕組みがない
以上は、組織、会社の話です。翻って、個人はどうでしょうか?
これからは「組織の時代」ではなくて「個の時代」だとすごく言われています。スポーツ選手や、アーティスト、ミュージシャンにユーチューバー、研究者や料理人……いろんな個人が、これまで以上に活躍し始めました。
ただ、彼ら彼女らが自分の夢に挑戦するとき「株式会社」という仕組みが本当に一番向いているのかな、と思うわけです。ひょっとすると、他にもっといい仕組みが発明できるんじゃないか――。
さらに、いまの日本でも「夢はあっても家にお金がない。だから、夢をあきらめなければいけない」という人もたくさんいます。世界に目を転じても、貧しい国ではやっぱり「お金がない」という理由であきらめることがいっぱいあるはずです。
ぼくらが「新時代のSNS」でやりたいことは「個人が、自分の夢やビジョンに賛同する人を集めて、リスクをとった挑戦ができるようになる」ことです。そうすることで、「会社」という仕組みではできない、新しいイノベーションが起こってくるのではないかと思うのです。