ビジネス

2019.04.06

僕はインスタやフェイスブックがそろそろ終わると思っている


「ファンから搾取」しない仕組みを

ぼくらが大切にしているのが「夢をかなえる人」と「支援する人」がウィンウィンな関係になることです。

これまでのオンラインサロンや、ライブ配信におけるギフティングプラットフォームなどは、 言い方は悪いでのすが、ある意味、有名な人がファンから搾取する感じに近かった。ファンが応援しても見返りがないのです。そこをぼくらは変えたいのです。

夢がある人は、みんなから賛同してもらえてうれしい。活動資金も入ってうれしい。ファンのほうは、人の夢に協力できてうれしい。協力していると、「いいね」というトークンがもらえてうれしい。しかも、さらにそのヒーローの人気が出てくると、トークンの価値も上がってうれしい。

ここが、いままでの他のファン系のサービスとは違う部分だと考えています。

早期に参加することのインセンティブがあるのです。たとえば人気が出てからだと、ファンが1万人くらいいるから「いいね」はもらいにくいでしょう。でもこれが10人くらいであれば、すぐにもらえますし、初期に入ったほうが安い場合が多い。初期に応援すればするほど、インセンティブがある設計なのです。

「夢」が資産になる世界へ

「フィナンシェ(Financie)」はフランス語です。「r」がつくと「Financier」になる。これは「Finance」の語源で、ひとつは「金融」という意味。もうひとつは「資本家」という意味になります。

これまでの時代の「資本家」といえば、お金や土地を持っている人を指しました。でも、新しい時代の資本家は「自分の夢を応援、協力してくれる仲間がたくさんいる人」じゃないかと思うのです。一方で、「他人の夢を応援する」資本家もいるわけです。

「フィナンシェ」のある世界ではこんなことが起きます──。

それなりにお金を持っている一人のおじいちゃん。自分の資産の7〜8割は土地や株や銀行にある現金です。ただ残りの2~3割は「若い子の夢を応援する」という資産を持っている。「他人の夢」が資産なのです。

そうなったときにどんな楽しみがあるでしょうか?

ぼくがエンジェル投資をしていて楽しいのは、お金が儲かるというよりも、がんばっているのを見るときです。投資した人が成功しているのを見ると、すごくうれしい。こういう応援している人の活躍を見ることが、いままでごく一部の投資家しか体験できなかったけれど、今後は多くの人がそういうのを楽しめるようになるのです。



アフリカにいるお金のない少年。彼は「サッカー選手になりたい」という夢を持っています。あなたは「フィナンシェ」を通じて彼を応援します。

彼はものすごくがんばって、ワールドカップでゴールを決めました。そのヒーローインタビューで彼はこう言うのです。「お金のない頃からあなたが支援してくれたから、おれはここに立てています!ありがとうございます!」。そう言われたら、どれほどうれしいでしょうか。その喜びは、金利3%とか4%といったものとはぜんぜん違う豊かな喜びになるはずです。

これからの「資本」は、お金や土地などだけではなく「どれだけ人のつながりがあるか」。そこが大きな資本になってくるでしょう。それは応援する側でもいいし、当然応援される側でもいい。

誰かの「自己実現」を軸にして、「善意」によって世界が回る。ぼくはこの「フィナンシェ」を通じて、そんな未来を実現させたいと考えているのです。

文=國光宏尚

ForbesBrandVoice

人気記事