フォーブス共同編集者

ジャック・ボーグル(photograph by Taylor Hill/GETTY)

2019年1月16日、インデックス型投資信託と低コスト投資で世界を先駆けた米投資信託運用会社「バンガード・グループ」のジャック・ボーグルが亡くなった。89歳だった。

インデックス型投資信託は、平均株価など特定のインデックス(指標)と同様の値動きをするように設計された投資信託。投資先を機械的に選択しバランス良く分散投資しながら、長期保有と低コストで利益を得る。ノーベル経済学賞受賞者ポール・サミュエルソンの理論に裏打ちされたシンプルで優れた投資のアイデアは、一般投資家にも役立っている。

17年公開のForbes100周年記念、本人直筆のエッセイを紹介する。

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1965年。ウェリントン・マネージメント・カンパニーの創業者ウォルター・モーガンに会社の立て直しを任された時、私は35歳だった。私は新しい株式投資信託を統合したが、好景気が終わり上手くいかなかった。

1974年1月、ウェリントン・マネージメントは私を首にした。ただし、投資信託の独自の取締役会を説得し、私は投資信託の会長兼CEOを続けられることに。それがバンガードの始まりだった。一方で、ウェリントン・マネージメントの役員会は分配やマーケティング、投資運用の監督をし続けた。

私はバンガードが自ら投資運用と分配ができる方法を探すしかなかった。1951年にプリンストンの卒業論文でインデックス投信に関わっていた私は、ポール・サミュエルソンがインデックス投信を呼びかける記事を読んだ。役員会でこのアイデアを話した。

「このファンドは投資運用できない。なぜなら投資運用がないからだ」と言うと、気に入ってもらえた。そうやって、「インデックス改革」が始まった。販売手数料も全て廃止した。

取締役たちは「バンガードには投資信託の分配を任せられない」と断られたけど、私は言ったのさ。

「我々は分配しない。分配自体をなくそうとしているのだ」と。彼らはそのアイデアも受け入れたよ。


ジャック・ボーグル◎1975年に米投資信託運用会社「バンガード・グループ」を創業。「インデックス・ファンドの父」とも呼ばれ、初めて「S&P500インデックス・ファンド」を販売し、アクティブ運用が主流だった当時の投信業界に革命を起こした。著名投資家のウォーレン・バフェットはボーグルについて「米国の投資家に最も貢献した人物」と評している。

編集=Forbes JAPAN 編集部

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