「かめはめ波を打ちたい」を現実に 日本発の新たなスポーツ競技「HADO」

HADOの福田浩士CEO


──スタートアップがイチから何かをやるのには難しさもあると思うのですが、どのように市場を開拓していったのでしょうか?

私たちが起業した5年前でもそうだったのですが、昔に比べるとスタートアップを応援しようという雰囲気がすごく強くなってきています。それは本当に有難いです。私達もドコモのアクセラレタープログラムやKDDI∞Labo(無限ラボ)に参加して様々なアドバイスや支援をしていただきました。

∞ラボでは3ヶ月間メンターが付いたり、DemoDay(デモデイ)で何百人に来てもらったりとそこで一気にリソースが集まりました。知名度が上がって、売り込みやすくもなりました。

言い方はあれですが、スタートアップを利用してやろうと思ってくれる人達が出てきてくれているのは有難いです。例えば、∞ラボではKDDIさんを軸とした企業連合があるのですが、私達はそこでテレビ朝日さんなど、さまざまな大手企業と一緒にビジネスを作ることができました。その点で私達はKDDIさんにすごく感謝をしています。

今年中には新競技のリリースも

──HADOにとってのターニングポイントを感じた瞬間はありましたか?

1つ目はKDDIのDemoDayです。そこをきっかけに火が付いて、色んなメディアにどんどん取り上げて頂けるようになりました。基本的に私達の商品は画がテレビ受けしやすく、露出がさらに取材を呼ぶという良い流れができました。そのおかげで知名度が上がり、ビジネス案件を頂けるようになりました。

もう1つは海外展開ですね。私たちはプロモーション動画をつくり、SNSで継続的に流しています。昨年の3月には、その動画を海外のフェイスブックメディアに取り上げていただき、2000万ほど再生されたのです。一気にそこで海外に広がり、日本だけでなく、毎日色んな国から問い合わせが来るようになりました。COOの冨田や執行役員のリムが事業をリードしてくれており、店舗数は世界23カ国55箇所まで広がってきています。

──今は店舗を増やし、大会の規模が大きくなってきていると思いますが、これからの5年ではどういった姿を目指しているのでしょうか。

私たちは2つのビジネスを展開しています。

1つは店舗事業。そしてもう1つは観戦事業です。店舗事業では店舗を展開し、プレイ人口を増やして収益を上げていく。観戦事業はHADOを放送コンテンツとして流し、観戦人口を増やして放映権や協賛という形で収益を上げていく。スポーツといえばどちらもあると思いますが、その2軸でやっています。

これら両輪を回してプレーヤーと観戦者の相互送客ができるようにしていきたいと思います。プロリーグが憧れの存在となり、観戦者が店舗に訪れる。逆に店舗プレーヤーからプロを目指す。どちらの流れも作っていければと思います。


7人のHADO強豪プレーヤー「ビースト」と一般参加者「チャレンジャー」のバトル番組「HADO BEAST COLOSSEUM」

──HADOが競技として認められたときに、様々な困難も出てくると思いますが対策などはお考えですか?

とにかく他社を巻き込んで企業連合を作って行きます。自分達だけでは何も出来ないので。例えばメディア、広告代理店、スポーツ企業、エンタメ企業など色んな会社を味方につけて1つのパワーを作っていくという動きをいかに出来るかが大事になります。HADOは世界中の注目を集められているので、積極的に企業を巻き込んでさらなる成長につなげたいと考えています。

──これからはHADOに次ぐ、新たなスポーツも考えているのでしょうか。

はい。今ちょうど、作っているところです。新競技も今年リリースする予定です。楽しみにしていてください。

文=新川諒 写真=小田駿一

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