出展社も来場者も2割減 今年のバーゼルワールドにみた「転換期」

2019年のバーゼルワールドにて


そんな感じで迎えた世界最大の時計フェアだが、最終日にバーゼルワールドのミシェル・ロリス=メリコフCEOが、2020年以降の新戦略「ビジョン2020+」を発表している。

それによると、来年のバーゼルワールドは会期中だけでなく、年間を通してポップアップイベントなどを開催するほか、新たなウェブプラットフォームを作成し、顧客とのコミュニケーションの場を増やすこと。出展料を10~30%ほど削減して出展者の負担を減らすことの検討、次世代スマートウォッチ向けの展示面積を拡張し、若い顧客の関心を集めること、などが打ち出された。

また、2020年はもうひとつの時計展示会「SIHH」と日程を揃え、両方に参加したいバイヤー、ジャーナリストにとってスイスへの出張が1度で済むような体制を整えることも発表されている。



このように時代の流れから、バーゼルワールド全体では好ましくない変化が起こっているが、相変わらず人気ブランドのブースは元気で、常時賑わいを見せていた。

今年目立ったのは、素材の進化。数年前には大々的に発表していたセラミック素材が、当たり前のように使用され、色を出すのが難しいとされていたブルーやグリーンが、ダイヤルやベゼルでさらに美しい発色をみせていた。また、どういうわけかブロンズケースのモデルが一気に増えたのも、ちょっとした驚きだった。

次回からブランドを取材した3日間を日毎にレポート。各ブランドの主だった新作を紹介していきたい。

文=福留亮司

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