鈴木:海外だと事業が少しうまくいかない時に、比較的サクッとやめる起業家が多い。そんな中、ずっと歯を食いしばりながら最後まで粘り強く戦える。競合企業が3桁億円に近い調達をしても、越境ECなど日本の強さをいかしながら、戦うポイントをうまくずらし、かつ、市場が大きいところで挑戦している。
彼には、日本で育ったバックグラウンドを持っている人が、世界で戦える事業を作れるということを証明し、成功事例となってほしい。投資家としても、彼のようなグローバルを舞台に挑戦をする日本の起業家たちを積極的に支援していきたいです。
キム:ひとつひとつの出来事が結構な「ハードシングス」。次の打ち手をリストアップして、一個一個歯を食いしばって潰していくところは日本的ですね。なんとしてでも生き延びて大成功するまでやりたい。
今後は2つの事業で圧倒的ナンバーワンの存在になり、日本出身で、日本の企業文化を持った人間が世界で勝てることを証明したいですね。
すずき・たかひろ◎ジェネシア・ベンチャーズジェネラルパートナー。1984年生まれ。サイバーエージェントに新卒入社、2011年11月サイバーエージェント・ベンチャーズ(現サイバーエージェント・キャピタル)インドネシア事務所代表を経て、18年12月から現職。主な投資先は、トコペディア、ララリ、東南アジア最大のモバイル決済コダペイなど。
きむ・てそん◎VIP Plaza Group創業者兼CEO。1985年生まれ。早稲田大学卒業後、2008年、楽天入社。10年より同社インドネシア事業立ち上げに従事。13年9月にインドネシアでVIP Plazaを創業。インドネシア中間層をターゲットに在庫処分のフラッシュセール、バイク便による即日配送、eウォレットのVIP CASH等、ユニークな機能を多数展開し、18年に会員数100万人を突破。