「自分の登っている山が違うと思えば、降りて別の山を登ったらいい」山脈型キャリアのススメ

クローデン葉子(写真=井土亜梨沙)


直感を育てるには、考えることが大事


クローデンがデザインした自宅(写真=クローデン葉子)

キャリアについて自分の考えをしっかりと持つようになったのは、旅行が大きい役割を果たしていました。旅行して外の世界が広がる中で、自分が心地いいと思う環境に出会うことができました。自分の狭い世界から出て、直感を育てる。直感を鋭くしておかないと、自分に心地よいと思うものを選べなくなります。

イギリスで子育てをしていて一番思うのは、じゃああなたは何をしたいの?とかあなたはどう思うの?と親が子どもによく聞きます。

友達を叩いてしまったとすると、こっちでは、今何をしたの?それは悪いことだと思う?どうして悪いことだと思う?と、質問ぜめです。子どもでも自分の考えをしっかりと伝えるように教育されています。

私の場合、「暗い」一人旅が自分のことを考えるきっかけになりました。旅先のホステルで出会った人とは交流せず、ずっと人生について考えるわけです。日本での生活のことも考えるし、旅の中で起こったことも考える。暗いというより内省的でした。社会人になってからも同じことを繰り返して、自分にベストなライフスタイルを模索していました。

考えている暇もないくらい働いている状況が一番不幸だと思います。余裕がないと、正常な頭で考えられなくなり、自分にとって何が幸せか考える機会が減ってしまうからです。

夢が叶ったあと…

今、私は好きな場所で、好きな人と、好きな仕事ができています。夢が叶ってしまったんです。夢が叶うと自然と次の目標が見えてくる。今まで私自身が満たされていなかったので自分の幸せを優先的に考えていました。「自分は成長しているか?」なんて今は考えません。でもそれが叶った今は、自分よりも3人の子どもたちの将来、次世代のために何ができるかを日々考えています。

そしてインテリアデザイナーとしては、人々の物理的な空間を幸せな空間にしていくことを今後も続けていきたいです。より大きなプロジェクトを通してさらにたくさんの人々の幸福を作っていきたいです。



文=井土亜梨沙

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