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2019.04.04 12:00

リチャード・ブランソンが語る「失読症が変えた自分」

Photo by Axelle/Bauer-Griffin/FilmMagic


「(ディスレクシアでなかったら)もっと平凡な人生になっていただろう。父は法廷弁護士で祖父は判事だった。2人は私も後に続くことを期待していたが、私はディスレクシアのためそれは絶対に無理だと思った。それが最終的に、大きな強みとなった」
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「ディスレクシアのおかげで、私は人に仕事をふるのが非常に得意になった。素晴らしい人材を見つけては、雑誌の編集や取材、数字の計算を手伝ってもらった」

ブランソンは、ディスレクシアの価値に関する啓蒙活動と当事者支援を行う国際慈善団体「メード・バイ・ディスレクシア(Made by Dyslexia)」の後援者となっている。

「私はディスレクシアのおかげで物事を簡略化し、創造的な面を伸ばせたと思う。例えば、ヴァージンの広告では人々が理解できないような専門用語などは使わない。ディスレクシアは、人との会話の仕方や、記事を通じたコミュニケーション方法に影響を与えたと思う。私は物事をシンプルにするようにしている。それがヴァージンのブランド構築に寄与し、結果として人々の共感を呼んだのだと思う」
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ディスレクシアの価値

メード・バイ・ディスレクシアと大手国際会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)がまとめた報告書「The Value of Dyslexia(ディスレクシアの価値)」によると、組織に欠けているのは、人とは異なる考え方をして現代社会の急速な変化と破壊を読み解くことができる創造的な人材であり、このギャップを埋めることができるのがディスレクシアの人だ。

これにはブランソンも同意見だ。「ディスレクシアの人が全員同じだというわけではないが、ディスレクシアは確実に私を変えたと思う。私は不可能に思えることに挑戦し、不可能を可能に変えようとする。これはディスレクシアから来るものかもしれない」

その一例となるエピソードがある。ブランソンはヴァージン・アトランティックを創業したばかりの頃、航空機内の座席背面に画面を設置するため1000万ドル(約11億円)を借りようとしたが、銀行を説得できなかった。

「ある日突然、『ええい、やってしまえ』と思い、ボーイング社に電話した。そこで『新品の747型機を50機買ったら、座席背面に画面をつけてくれるか』と聞くと、承諾がもらえた」とブランソン。

「つまり、1000万ドルの座席後方画面を付けるために25億ドル(約2800億円)を借りることになった。ちょっとしたずうずうしさが必要かもしれないが、普通とは少し違うやりかたをするディスレクシアの人にはそれが付いてくると思う」
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編集=遠藤宗生

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