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2019.04.04 07:30

ソフトバンクが出資の米ブレイン・コープ、搬送ロボットを発表


学者から起業家へ

イジケヴィッチは2009年に学問の世界を離れ、連続起業家のアレン・グルーバーと共にブレインを立ち上げた。当初は半導体メーカーのクアルコムや新技術の開発を行う米国防総省の機関、国防高等研究計画局(DARPA)の研究開発を請け負っていた。

ブレインが自律走行式のロボットに必要な機械学習機能やコンピュータビジョン・システムの開発に着手したのは2014年。2年後に最初の製品を発売した。イノベーション担当のバイスプレジデント、フィル・ダフィーによると、すでに運用されている同社のロボットは約500台に上り、その数は年末までに数千台に増加する見通しだ(売上高は公表していない)。

多数の企業が搬送ロボット市場に参入する中、イジケヴィッチは自社の優位性は清掃作業に加え、周囲に人がいる環境でも作業ができるその能力にあると考えている。

ブレインはもともと、最低5年は業務用清掃機器だけを扱う計画だった。だが、2017年夏にソフトバンク・ビジョン・ファンドなどから1億1400万ドルを調達したことにより、研究開発を加速させることができた。イジケヴィッチはこれについて、次のように語っている。

「マサ(ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長)が私と同じ夢を持っていてくれたことは、われわれにとって非常に幸運なことだった。彼はロボットが私たちの世話をしてくれる未来を思い描いている」

「会ったとき、彼を説得する必要は少しもなかった」

編集=木内涼子

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