従業員が長期にわたりストレスを感じると、プライベートでも仕事でも代償が生じる。ストレスを抱える従業員はなかなか集中できないと感じ、生産性を維持できず燃え尽きてしまいことが多い。そのためストレス管理を怠ると、職場に悲惨な結果がもたらされるかもしれない。
職場でのストレス対処法にはさまざまなものがある。これまでよく採用されてきたものは、休暇日数の増加やフレックスタイム制、前向きな職場環境の構築などだ。こうした対策は全て、職場でのストレス改善に効果的かもしれない。従業員のストレスを緩和する4つの方法は次の通りだ。
1. マッサージを提供する
職場でのマッサージは、平日に蓄積されるストレスや不安と闘う効果的な方法だ。チェアマッサージ(座ったままで行う短めのマッサージ)により、ストレスや不安の軽減、全体的な気分の改善、エネルギー向上などの効果が見込める。またマッサージを提供することで、従業員を大切にしていることを示すことができ、チームワークや信頼、忠誠心などが醸成され、会社側にもメリットがある。
マッサージは現在、ますます楽に入手できるようになっている。オンデマンドマッサージのサービスを提供するジール(Zeel)を使えば、ワンクリックでチェアマッサージを注文できる。同社のサマー・ハマデー最高経営責任者(CEO)は「当社では、顧客が自分で予約できるツールを導入したばかり。これを使えば、企業の本部やオフィスに数時間で療法士を派遣できる」と語った。
2. マインドフルネスを推進する
マインドフルネスを定期的に実践することで、感情を制御し、ストレスに対しレジリエンス(回復力)を持つよう脳を変化させ、ストレスのバイオマーカー(体の状態を客観的に測定・評価するための指標)を改善できることが研究から示されている。多くの雇用主が現在、マインドフルネスプログラムを提供しているのも意外ではない。
人気の企業向け瞑想(めいそう)アプリの一つは、ヘッドスペース(Headspace)だ。ヘッドスペースは、心の訓練を支援するアプリで、従業員は瞑想を通して脳の各分野を強化し、脳の持つ良い特徴をさらに高めるよう調整することができる。これによりストレスが減り、睡眠の質や集中力、対人関係が向上する。ヘッドスペースの調査からは、アプリを使用して4週間で集中力が14%向上、30日でストレスが32%減少など、顕著な成果が示されている。