ビジネス

2019.04.02

米バーガーキングの植物性バーガーは「肉好き」の心も掴む味?

バーガーキングのインポッシブル・ワッパー(Getty Images)


大豆と野菜をベースにしたインポッシブルのパテは、牛肉のように血が滴る。ビヨンド・ミートはこうした遺伝子の組み換えを行わない方法で人工肉をつくるが、インポッシブルはほぼ全ての動物にも植物にも含まれる分子、「ヘム」を原料としているためだ。

ただし、インポッシブルはヘムを自社で製造しているわけではなく、入手が難しくなっている。そのため同社は現在、委託製造による生産拡大に向けたサプライチェーンの構築を図っている。バーガーキングが世界の各地で展開する1万以上の店舗にインポッシブル・バーガーを提供しようとするなら、安定したサプライチェーンの構築が必要だろう。

インポッシブル・フーズによれば、米国内のレストラン5000店舗以上で販売されている同社のパテは、生産過程での炭素排出量が牛肉を使ったパテより89%少ない。また、使用する土地は96%、水は87%少なくて済むという。

ビジネスは順調

米調査会社ピッチブックによると、インポッシブル・フーズがこれまでに調達した資金は約5億ドルに上る。ビル・ゲイツからアルファベットのベンチャーキャピタル部門GVまで、テクノロジー業界でもトップの投資家たちから支援を受けている。

一方、バーガーキングは昨年、新たに約1000店舗を開業。世界で最も急速に成長するレストランの1つとなっている。

同社が債務も含め40億ドルで投資会社3Gキャピタルに身売りしたのは2010年。その後、3Gはカナダのコーヒー&ドーナツ・チェーン「ティムホートンズ」と米ファストフード店の「ポパイズ・ルイジアナ・キッチン」を傘下に収め、これらを運営するレストラン・ブランズ・インターナショナル(RBI)を上場させた。RBIの時価総額は現在、およそ320億ドルに上っている。

編集=木内涼子

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