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2019.04.02 16:30

米バーガーキングの植物性バーガーは「肉好き」の心も掴む味?

バーガーキングのインポッシブル・ワッパー(Getty Images)

バーガーキングのインポッシブル・ワッパー(Getty Images)

チェーン全体で年間売上高が210億ドル(約2兆3300億円)に上る米ファストフードのバーガーキングが4月1日、「インポッシブル・ワッパー」の試験販売を開始した。

米国のスタートアップ、インポッシブル・フーズが開発したパテを使用するこのバーガーは、ミズーリ州セントルイス周辺の59店舗で販売されている。近く対象地域を全米に拡大し、7000以上の店舗で提供を開始する予定だ。実現すれば、研究室で開発された植物性タンパク質が原料の「ハンバーガー」の販売としては、最大規模での展開となる。

インポッシブル・フーズは昨年から、主に米ファストフード・チェーンのホワイト・キャッスルにパテを提供してきた。同社はおよそ400店舗で「インポッシブル・スライダー」を販売する。また、米国内のカールズジュニア約1100店舗では今年1月、インポッシブルと同様に新規株式公開(IPO)がうわさされるビヨンド・ミートの植物由来の代替肉を使用するバーガーを発売している。

今度こそ「売れる」商品になるか

バーガーキングは何年も前から、ベジタリアン向けのメニューを取り入れようと試みてきた。だが、いずれの商品も人気は出なかった。同社のグローバル最高マーケティング責任者(CMO)、フェルナンド・マッカードはこれについて、「いずれも忠実な顧客を獲得することができず、スケールすることもできなかった」と述べている。

バーガーキングの顧客基盤は大半(約90%)が、肉を食べる人たちだ。だが、マッカードによれば、インポッシブル・ワッパーはこれまでの商品とは異なる。



フォーブスの記者は実際に、フロリダ州マイアミにあるバーガーキングの本社でオリジナルのワッパーとインポッシブル・ワッパーを並べて食べ比べてみた。正直なところ、直火で焼いた表面のカリッとした感じから肉と変わらない食感まで、2つの違いを説明するのは難しかった。
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編集=木内涼子

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