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過去41年間、米国の都市と東京を結ぶ空の便について主に不満な点とされてきたのは、12~15時間かかるフライトの後に、さらに約2時間をかけて移動しなければならないことだった。

それは1978年から2010年まで、東京行きの便が到着する唯一の空港が、都内からおよそ72㎞離れた成田国際空港だったからだ。東京が道路の渋滞で悪名高いことを考えれば、都内までは電車を使うのが最善の方法だ。運転手付きの車を頼めば、スムーズにいけば1時間ほどで都内に着くものの、料金は250ドル(約2万7000円)近くかかる。

米国の航空大手3社(アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス)とハワイアン航空は現在、都内中心部までわずか19kmほどの羽田空港の発着枠の獲得に向けて競い合っている。

日本の国道交通省航空局は2020年の東京五輪の開催を前に、羽田空港を離着陸する国際線の増便を予定しており、米国との直行便を増やすため、同国の航空会社に12枠を配分することにしている。米運輸省(DOT)は五輪開幕前のサービス開始に向けた準備に十分な時間を取れるようにするため、発着枠を認める自国の航空会社と路線を今夏までに決定する予定だ。

羽田への直行便が就航している米国の空港は現在、ミネアポリス・セントポール国際空港(デルタ)、サンフランシスコ国際空港(ユナイテッド)、ロサンゼルス国際空港(アメリカン、デルタ)、ダニエル・K・イノウエ(ホノルル)国際空港(ハワイアン、一部の便はコナ空港から)のみ。

4社が申請している発着枠は、合わせて19となっている。そのうち7枠は承認されないことが明らかであるため、各社はすでに離発着権を巡り、激しいロビー活動合戦を繰り広げている。

業界の観測筋によれば、アメリカン航空が申請している1路線の申請が認められることは、確実とみられている。日本の大手企業十数社が北米拠点を置くテキサス州北部のダラス・フォートワース国際空港(DFW)と羽田を結ぶ便だ。DFWは羽田への直行便がない米国の空港のうち、日本との間を行き来する旅客数が最も多い空港となっている。同社は羽田~DFWの1日2便の運航を計画。どちらも認められるとみる向きが多い。

羽田便を増やすことで最大の恩恵を受けることになる米国の航空会社は、デルタだと考えられる。アメリカンとユナイテッドはそれぞれ、日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)と提携しているが、デルタにはそうした日本の航空会社がなく、現在は成田空港を発着する便のみを運航しているためだ。

羽田の発着枠を獲得できれば(シアトル、デトロイト、アトランタ、ポートランド間の1日1便、ホノルル間の1日2便を申請中)、同社は米国~成田路線を廃止する可能性もある。

一方、東京以外の都市へ向かう旅行者にとって、成田便の増枠は目的地までのアクセスの向上につながる。JALとANAがいずれも羽田を発着する国内線を数多く運航していることから、乗り継ぎ便が利用しやすくなる。

さらに、出張で米国と東京の間を行き来する旅客も、特に大きな恩恵を受けられるかもしれない。長年にわたり世界で最も料金が高いとされてきた米国~東京の移動にかかる料金が、値下がりする可能性がある。

編集=木内涼子

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