ビジネス

2019.04.03 07:30

「やるからには成功」する必要はない 挑戦的キャリアの歩み方


しかし、新しい分野への挑戦を阻むのは、他人の声だけではなく、自分自身の迷いからきていることもあるだろう。例えば、「全部、中途半端になってしまったらどうしよう」という迷い。「思い切ってチャレンジしても、成功しなかったら無駄になるのではないか」という不安。成功へのプレッシャーが、挑戦の足かせになる場面は多いと思う。

だが、ここで問いたいのは、「成功と達成は違うのではないか」ということだ。思い切って挑戦してみても、壁は高く、運や能力に恵まれず、成功を収めるに至らないことはある。確率的には、そのほうが多いだろう。それでも、本人にとって「やりたいことに思い切り挑戦できた」という経験になったのならば、それは大きな「達成」であるはずだ。

成功ではなく達成を求めるだけで、自分自身へのプレッシャーはぐんと軽くなるし、「達成こそが成長のエンジンだ」と私はいつも伝えている。
 
やるからには成功しなければ。そんなこだわりはすぐに取っ払って、身軽になろう。

あの時、なぜあの道を選んだのか。今はうまく説明できなくても、10年、20年と経った時に振り返れば、すべてがきれいにつながったオリジナルのストーリーがきっとできあがっている。その時を楽しみに、今は「よく分からない」キャリアを進むことを怖がらず選択していいのだと私は信じている。

文=中竹竜二 構成=宮本恵理子

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